教育天声人語
はやりのキーワードでないものを


  雑誌やWeb マガジンの進学関係のライターさんの取材をよく受けるが、皆さんが最近
 こぼされることがある。「取材でどこの学校に行っても、SDGs、探究、ICT 教育、英語4
 技能、リベラルアーツの話をされるので、どの記事も似てきて困っているのです。」
  確かに近年あっという間に同じようなキーワードが多くの学校に行きわたっている。
 私自身もセミナーの場で、「生徒が巣立つ次の時代を見据えて、必要な資質・能力を身に
 つけさせてください。」と話しているので責任の一端は感じている。
  これらキーワードの中身が一過性のものとは思えない。むしろ本質的なものだと思う。
 が、”はやり”もののような印象になるのはどうしてなのだろうか。考えてみるに、
   〇皆が同時期にスタートさせた
   〇”本腰”を入れている感じがしない
   〇どこも似ていて、その学校の「独自性」が見えない
 ・・・ことから来ているのではないだろうか。といってこれらをやらないという選択肢はな
 いと思う。これからを生きる生徒にとって必要なスキルであり、リテラシーである。
  むしろ問題は、これら以外を語っていない、語るものがない、あっても受験生・保護
 者にとって魅力がない・・・そちらにあるのではないだろうか。
  2021 年度入試の志望動向を見ていて気付いたことの一つが、個性がハッキリしている
 学校が比較的出願数を増やしていたことだ。保護者の学校選択は先生方が思っているよ
 り多様化している。
  キーワードでない、自校の“財産”を再発見し、それをもっと打ち出していただきたい。

「ビジョナリー」2021年12月号掲載     |もくじ前に戻る

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