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「いい人」という人がいる。善良で、穏やかで、優しい人というイメー
ジだ。この場合、有能である、やり手である、尖っている……といったニ
ュアンスはむしろ含まれていないことが多い。
「いい人」カラーの学校がある。校風が穏やかで、先生と生徒の距離が近
く、誰にでも居場所がある。生徒を競わせて進学成果を上げることを目指し
ていないから、ストレスも少なく、退学者も少ない、そんな風土である。個
人的には好感を抱いている。
が、保護者が考える「いい学校」となると、必ずしも「いい人」的な学校
ではない。レベルが高く、学力を伸ばしてくれ、難関大学に入れてくれる学
校。近年はこれに、厳しい時代を生き抜く○○力・○○力やスキルを付けて
くれる、が加わるだろうか。
最近接した保護者の言葉に下記のようなものがあった。
「保護者が大学入試改革や社会のグローバル化にとても気を揉んでいるの
に、そこには触れずに『一人ひとりがかけがえのない存在です』、『子どもの
幸せって何でしょう』的な話ばかりをされても、この時代にはそれでは選び
にくいと感じました」
本文の記事、『中学受験人口はこのまま増加し続けるか? 減少に転じる
か?』のテーマであるが、私学の存続が厳しくなると思われる時代を控えた
今、いつまでも「いい人」タイプで居られる保証はないのではないだろうか。
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