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この号の巻頭のセミナーリポートにもあるが、平成元年当時、株式の時価総額ベスト5はすべて日本
の企業であった(1位のNTT以外は日本興業、住友、富士、第一勧業…とみな銀行)。それが30年後に
はベスト5はもちろん10位以内にも1社も入っていない。ようやく37位にトヨタ自動車が入っている
のみ。現在のベスト6はすべてデジタル企業(マイクロソフト、アップル、アマゾン、グーグル、アリ
ババ、フェイスブック)。アリババは中国であるが、この30年でものづくりから情報など無形資産を
我々国民も、なんとなく豊かな生活を送れているし、TVには日本に憧れてやってくる外国人ばか
りが登場するので、徐々に衰退していることに気がつかないでいる。そんな話を耳にすると、仕事
柄どうしても学校についても当てはめてしまう。30年前のものは手元にないので、20年前の偏差値
表、20年前の応募者数を出してみると、2019年度とはとんでもなく違う学校が多数ある。躍進して
いる学校もあれば、衰退している学校も。気になるのは、長期にわたって衰退しているにもかかわ
らず特に動きがない学校があることだ。想像するに、前年との比較でしか見ていないからではない
だろうか。1ポイントの低下、10名の応募者減。失礼ながら、徐々に熱くされていると気がつかない
「茹でガエル」のような状況ではないだろうか。
自分が校長になってから、自分が広報部長になってからを分析するのではなく、もっと長期的ス
パンで眺めて欲しい。そうしてはじめて社会(保護者)の構造的な変化に気がつくものである。どんな
長寿企業も、「社会性と顧客志向」は有していて、企業の在り方、製品は変えてきているのだから…。
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