教育天声人語
体質改善は難しい


  安田研を始めて丸17年が経った。年々忙しくなり、バタバタした日々を過ごしているせいか、
 感覚的にはあっという間だった。
  その間、数多くの学校とやり取りしてきた。今週も1校で対談、1校で幹部教員研修、この2
 校とは別の学校の校長との会食、そして木・金は東北地区(新潟県も入っている)私学教員研修
 会(そのうちの学校経営部会で講演)。
  今月やり取りした学校の中に10年ぶりという学校もあった。10年前窓口だったのは法人本部
 の広報の責任者だったように記憶している。依頼に来たというのに、上から目線で役人っぽい人
 だった印象が残っている。学校とのやり取りでこんな印象を持ったのは銀行から来た事務長くら
 いで、珍しかったので記憶に残っている。今回も他の学校では経験したことのない低額の講演料
 の設定で、事前に資料が送られてくることもない、という冷めた対応であった。
  苦労して伸びてきた学校から感じる「熱」「真摯な姿勢」「ガッツ」……といったものが感じられ
 ないのである。10年を経ても学校の体質は案外変わらないのだなと思う。
  別の学校。以前から何事にも慎重な学校である。今年、校長が交替した。でも思い切って踏み
 出さない姿勢は相変わらずである。両校とも生徒募集に苦労している学校ではない。それだから
 改革について論議しても、「局地」の問題点の指摘が多く、10 年後の姿という「大局」を考えてハー
 ドワークしようということがない。私などは「ほどほどの学校でいいんですか? そんな意識で
 いると早晩落後しますよ」と言いたくなる。
  つい最近読んだ本にこんな記述があった。「どうせやるのであれば、早くやったほうがいい。
 必ず痛みは発生するでしょうが、痛みばかりに配慮していたら、いつまで経っても何もできま
 せん」

「ビジョナリー」2019年8・9月号掲載     |もくじ前に戻る

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