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GW明けにパソコンを開いてみると、思いがけないメールが届いていた。件名にあった名前を。
見て、すぐに思い出した。7年前、東京家政大学附属で受験生の保護者向けに講演した時に、講
演後相談にいらっしゃったお母さんである。メールには、7年前には考えもしなかった大学進学
を娘が果たした喜びが率直につづられていた。
7年前のこの相談には実に不思議な<連鎖>があった。その年の1月、横浜女学院の平間先生か
ら「願書受付の初日、窓口で涙ぐんでいる保護者がいた。別室に呼んで事情を聴いたところ、父
親が12月にリストラに遭い、私学には通わせられなくなった。長いこと塾に通って勉強してきた
のだから、せめて試験だけでも受けさせてあげようと、願書を出しに来ました。でも受かっても
通わせられないと思ったら・・・・・・。取り乱してしまい申し訳ありません」という話を聴いた。
目白研心でやはり保護者向けに講演したときに、このケースの話をし「親子とも、中学受験で
きること自体が幸せなことと思いながら受験生活を送ってください」と締めた。講演後のアンケー、
トに、「私の娘は偏差値70超えでした。が、白血病で試験を受けることなく亡くなりました。さ
ぞ無念だったと思います。この方に、あなたにはまだ高校受験、大学受験があるのですから頑張っ
て、とお伝えください」と記されていた。
で、東京家政大学附属でこの話をしたところいらしたのが先のご両親だった。「娘はその方と
同じく白血病です。身体の負担になるので、受験させたものか悩んでいます」すぐには返事で
きなかったが、「もしかしたら、受験がお子さんのハリになるかもしれません。それにこの学校
は穏やかな学校ですから、入学できたらやっていけるかもしれません」
それが無事に卒業でき、当時想像すらしていなかっ大学生活を送っている。「学校生活がよほ
ど心身の健康に合っていたということではないでしょうか」と返事をした。
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