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Anywhere Somewhere 英国のEUからの離脱について国民の意見が分かれたことを分析し
た、ヨーク大学のデービッド・グットハート教授の言葉である。高学歴のAnywhere(どこにでも
行ける者たち)はEU残留を支持し、Somewhere(どこかにとどまる者たち)は、移民の流入は自
分たちの職を奪いかねないとEU離脱に賛成したというのである。
これはアメリカの分断と全く同じ構造だ。日本に来ているアメリカ人に尋ねると、ほとんどが
トランプ不支持なのは、そもそも日本に来られる人というのはAnywhereだからなのだ。
こうした世界情勢を考えると(生徒が社会に出るころはもっと分断が進んでいるかもしれない)
これからの生徒はAnywhere(どこにでも行ける者)に育てなければいけないと思う(自分の利害
だけでなく、国、社会としてはどうあったらいいのかと考えられる資質を含めて)。またそれは
必ずしも海外だけを意味しない。
いまの保護者はまだいま勤務している企業に定年まで勤められる人が多いかもしれない。が
生徒の時代はそうしたケースは少数派で、2度、3度と勤務先が変わるだけでなく、業種まで変わ
るというケースが多くなるだろう。さらに70歳、75歳まで働いている可能性も大きい。生徒の人
生は「一毛作」ではなく、「二毛作」「三毛作」になる。
そう考えれば、変化を前にして縮こまるのではなく、常にチャレンジし続ける姿勢こそが生き、
延びられる条件になることがわかる。
先生方はどうしても2020 年への対応、英語4 技能の修得、ICT 教育、21 世紀型スキル……と
いった具体的なものに関心が行きがちだと思う。が、全員が日々生徒と接するうえで上記のこと
を意識しておいていただきたいと願うのである。
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