教育天声人語
どんな場にも発見するものがある

  原稿に追われながらも、11月末から12月にかけても、いろんなセミナー、シンポジウムをのぞき
 に出かけた。国際教養大学・鈴木典比古学長の講演、楽天の社内英語公用語化プロジェクトの責任
 者であった葛城崇氏(文部科学省英語教育改革プロジェクトマネージャーでもあった)、それに菊池
 桃子氏の「女性が輝く社会の実現に向けて」。テーマも場所もまったくバラバラで、自分の関心が一
 貫しているわけでもない。
  鈴木典比古学長の話は、4年で卒業するものは48%しかいないということがこの大学での学びの
 厳しさを表していた。リベラルアーツとは「あらゆることをある程度知る。あることをすべて知る」
 ことだという定義づけ(?)になるほどと思った。
  葛城崇氏の話では、楽天のカフェテリア(街の食堂より美味しくてしかも無料)を、金曜は英語
 縛りにしたところ、わざわざお金を払って外に食事に出る人間が多かったというところに親近感を
 感じた。社員の20%が外国人で、使う機会があることが何より社員の上達に役立ったという。
  菊池桃子氏は、富士ゼロックスが顧客向けのサービスとして12月5日・6日に東京国際フォーラ
 ムで20もの講演を開催したものの1つであった。私は『里山資本主義』の藻谷浩介氏が第一希望で、
 同じ部屋でそれに続いて菊池桃子氏の講演があるということで申し込んだら、こちらだけしか当た
 らなかった。平成の大学生は、「『男らしさ』という言葉にプレッシャーを感じる」、また「活躍して
 いる女性がカッコイイ」とか「育児する男性は素晴らしい」とかいう表現自体がそもそも根本的に
 違っているという話であった。
  私の場合は、原稿の材料を探してほっつき回っているという面があるが、先生方もさまざまな場
 に身を置いてみると、生徒との会話のフィールドが広がるのではないだろうか。

「ビジョナリー」2017年1月号掲載     |もくじ前に戻る

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