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いろんな人と会うようにしている。先日は20年近い付き合いになる女性から突然電話があった。
「いま東京に来ているんですけど、安田さん、今日は時間ありますか?」東京の人間なのに、なぜ「東
京に来ている」と言うんだろうと、訝しがりながらも「4時以降なら空いている」と返事をした。
会ってすぐ、そのことを尋ねた。「私はいまは活動の中心は大阪です」と、名刺を差し出す。大
阪市中央区で、「ビリヤードクリニック」を開いている。裏返すと、大分市で「アロマトリートメン
トサロン」を行っている。「〇〇さん、こんな資格を持っていたっけ?」
「私、不登校やひきこもりの子の面倒を見ているじゃないですか。彼らは就職しても人間関係で
つまずいて辞めてしまうんです。そこで彼らが働ける場をつくりました」 「東京の自宅はどうした
の?」「 スタッフを雇って、親から離したほうがいい子の世話をさせています」
東京⇔大阪⇔大分と、車で走り回って、文字通り体当たりで不登校やひきこもりの子のサポー
トをしている。個人で行っているから、「新規で面倒を見られるのは年に3名が限度ですね」とい
う状況のようだ。「ところで、今日はなんで東京に来たの?」「午前中、ひきこもりだった子の大学
入学手続きに付き添ってきました。夜は、弁護士になった子が、『自分が働いている法律事務所
を見に来てほしい』と言うので、行ってきます」
大学名を尋ねると、名古屋の通信制の大学だった。東京で入学手続きができることにビックリ
していると、「ひきこもりだったから、朝9時から夕方5時までスクーリングがある大学はとても無
理。スクーリングがない大学を探したらここがありました。一度も大学のキャンパスに足を踏み
入れなくても、卒業できるんです」その新入生は遠回りして現在30歳という。
普段仕事をしている世界とはまったく異なる進学ルートがあるのだった。
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