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新聞に原稿を書く必要があって、一般の読者に「エッ! 私立中学の入試にはこんな問題が出る
の?」という問題を探した。問題を渉猟しながら、今更ながら私立中学の入試問題はスゴイと思っ
た。スゴイというのは、各教科にわたって広範な知識を必要とする、6000字を超える文章を読ま
せたうえで50分で30問以上に解答させる、とんでもなく複雑な数式・図形問題を考えさせる
……といった出題レベルが高度であるということだけではない。
国語で引用されている文章を読めば、出題校の先生が現代社会の何に問題意識を持っているの
か、子どもにどう育ってほしいと願っているのか、そうした社会認識や思いが伝わってくる。
社会でも、日本の抱えている様々な課題について、東日本大震災、少子高齢化、消費税……
等々について、真正面から受験生と一緒に考えたいという熱い気持ちが伝わってくる。
その一方でこんな問題もあった。
〇「『かけがえのない』存在として大切にされた体験をあげ、その体験があなたの生き方にどのよ
うにいかされているかを書きなさい」(横浜雙葉)
〇「『父さんは、てのひらほどの、一枚の写真のなかに住んでいる。』とありますが、『住んでいる』
という表現から、どのような思いが読み取れるか」(栄光学園)
といった、「生」への深い問いもある。また、
〇「入院中お見舞いに来てくれた先生に、退院後登校したときに、どのようなごあいさつをすれ
ば良いか、100字以内で書きなさい」(雙葉)
〇「『単語で喋る子供たちが増えている理由』を本文中から抜き出しなさい」(普連土学園)
といった現実生活の場面での問いもある、
まさに現代社会や生きる姿勢が濃縮された世界で、問題を読むだけでも勉強になる。
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