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多くの学校で、中学の学校説明会の参加者が減少している。何となく受験や周りに引きずら
れての受験、単に公立不信からの受験……など、熟慮しないまま中学受験の世界に入っていた
層がここへきて加わらなくなっている。いわば「 浮動票」 が当てにならなくなっている。
そうなると、「固定票」を作ることがキーになる。「固定票」といえば、真っ先に浮かぶのが卒
業生である。歴史の古い学校なら、万という単位の卒業生を抱えている。彼ら・彼女らがわが
子を母校に入れてくれれば、生徒募集に悩まされることもないはずだ。祖母・母・娘という3
代にわたって在籍という家庭がある一方で、卒業生は案外わが子を母校に進ませていない。
それはなぜだろうか。
@ 自分自身の在学中が楽しくなかった。
A 自分は楽しかったが、今の母校は自分のころとはまったく違う学校になってしまった。
B 塾に通わせていろいろな情報が入ってくると、もっと魅力的な学校があることに気づいた。
C 当初母校に入れることを考えていたが、模試を受けさせたところ高い偏差値をとってきた
ので、母校ではもったいなくなった。
D 母校の学校説明会に出かけたが、他校に比べ生徒・先生の印象が良くなかった。
E わが子に身につけさせたいと思っていることが、母校では満たされそうにない。
等々、理由は様々だろう。
@は今更どうしようもないことである。Aも学校の在り方を変えざるをえない事情があった
のであろうからやむをえない。が、B以降は校内で検討してみる余地があるのではないだろう
か。卒業生にアンケートを取り、率直な意見を聞いてみると、何が物足りなく思われているのか、
受験生の保護者に向けた対策のヒントが得られるのではないだろうか。
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