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3月、4月は「人事異動」の季節である。学校の世界の人事異動はこの季節に集中する。3月くら
いから退職される校長の噂をいくつか耳にしていた。学校ごとにそれぞれ事情があり、内部のこ
とを知らない者があれこれいうのはおこがましいが、なかには一般論としてもどうかと思われる
ものがあった。
「学校を刷新してわずか2年で校長以下幹部が交替」「最初から校長の任期が2年」「新たに就任す
る校長が90歳」……こうしたケースは学校ごとの事情以前の問題ではないだろうか。わずか2年で
いったい何を期待したのだろう? 2年で何が成し遂げられるというのだろう? 教育はもっと
長いスパンで考えなくてはどうにもならないはずである。何を期待しての90歳なのか?
これらのケースに出くわすと、理事長・理事会は何を考えているのかと思ってしまう。
また、相変わらず公立高校定年退職校長の就任、民間企業からの招聘というケースも少なから
ず耳にする。それぞれ人物次第と言ってしまえばそれまでだが、どうしても気になるのは、ほか
の世界と比べて校内で後継者を育てるという意識が弱いことだ。
学校は企業以上にその学校特有のDNAがあるはずである。いま公立の多くが教員の在職期間
の短縮と、上からのさまざまな指定により学校の均質化が進んでいる。そうした潮流の中にあって、
私学は自分のDNAを大切にするところに存在意義があるはずである。それなのに、内部で育て
る力が弱く、外部から招くことを短期間で繰り返している学校がいまだ数多くある。失礼を承知
で言わせてもらえば、理事長・理事会が「内部の先生を信用していない」か、単に「隣の芝生が青
く見えているだけ」ではないのか。
DNAを大切にするためにも内部で育てることをもっと考えてもらいたいものである。
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