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せっかく入ったのに早々にやめてしまう、高校進学段階で外部受験するために早くも塾通い
している、このところそんなケースがよく目に付く。
途中で転校したり、高校進学段階で外部受験したりする理由はさまざまだ。
1.よりレベルの高い高校を受験して外部の高校に進学してしまう。
2.家庭の経済状態の変化から、学費の安い公立高校に進路変更する。
3.いじめなど友達関係が原因で、中学段階で公立中学などに転校してしまう。
4.第一志望でなかったことを引きずって、中1のときから外に出ることを考えている。
5.学力的についていけなくなり、併設高校よりレベルの低い高校へ進学する。
だいたいこんなところであろう。
2は、親の勤め先の倒産、突然のリストラなどで学費を払えなくなったということでやむをえ
ないが、1 や4 は、本人以上に親の姿勢によるところが大きいように感じる。
受験校選択に際し、父親が部下を評価するのと同じ感覚で、大手テスト会社3社の偏差値、主
要教科の授業時間数、放課後の講習、長期休暇期間中の講習、教科書・副教材、国公立大学合
格者数、早慶上智合格者数、1 クラスの人数……などの項目を設けた表を作り、各項目の合計点
の高い学校こそ間違いがないと主張する。こういう父親には、私立中高一貫校は難関大学への「通
過点」としか見えていないようだ。
以前だったら、学校が大切にしている精神、子どもをどのように育てていくかという考え、
学習面でのさまざまな工夫、生徒へのアプローチのしかた、わが子がどんな体験ができるのか
……そうしたわが子が送る6 年間の学校生活自体をもっと重視していたように思う。
そこで、最近のイベントで、受験生の保護者にこんな話をした。
「人が旅をするのは、到着するためではなく、旅をするためである」(ゲーテ)
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