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こういう仕事をしていると、広報に関して“プロ”の学校と“素人”の学校とがある
ことを感じる。偏差値を上げる、出願者数を増やす、大学合格者数を増やす……そうし
た数字について極めて戦略的に動いている学校と特に意識していない学校では数字は大
きく違ってくる。
だいぶ前からだが、いろんなシーンで“これでいいの?”と感じることが多くなった。
・偏差値を上げるために入試回数を多くして1回の募集人員を細かく分散。
・正規合格者は定員ギリギリの発表。後はすべて繰り上げ。
・午前入試は2月1日のみ。それも合格者はごく少数。ほとんどが午後入試。
・1回の受験料で何回でも受験OK。
・生徒の学力に関係なく、敢えて難しい教材を採用。
・落ちこぼれが出ることに目をつぶっての強引な先取り。
・少数の学力優秀生に校内の資源(ベテラン教員・施設など)を集中。
・1人の高3生に20もの大学・学部を受験させる進路指導。
こうしたことを行うのは、もっぱら塾・保護者の注目を集め、大勢に受験してもらう
ためだろう。学校は明確には意識していないかもしれないが、言わば“有力校”を目指
しての戦略である。
が、これら一連の動きからは、存在は知られてもリスペクトは生まれないように思う。
少子化が加速し厳しい募集環境になった時にこうした“有力校”は案外もろいのではな
いか。“有力校”にならなくても、日ごろから好感を持たれ、“信頼校”として認知され
ていれば、厳しい募集環境になった時には逆に強いのではないか、そんなことを思った
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