塾対象説明会訪問記
 
豊島学院高等学校・昭和鉄道高等学校 東京都 共学校
▲学校ホームページ(クリックで表示)
今日は久しぶりの晴天。近未来の鉄道をイメージしたデザインがユニークな豊島学院高校と昭和鉄道高校の校舎が、秋の日差しを浴びていました。会場は、多くの塾関係者が集まり、いっぱい。

豊島学院高校の学校長・品川裕先生の挨拶から始まりました。

・本校は、昭和7年に開校、昭和に入って実業高校になり、平成4年に普通科拡充を機に現校名になった。これは、生徒や保護者のニーズ「普通科を強化して!」に沿ったもの。平成11年に普通科が共学になり、翌年に商業科が共学になった。平成20年から22年にかけて、7度めの学校改革に取り組み始めた。20年には商業科・機械科・電気科の募集を停止、普通科の拡充にあたり、文理進学類型を立ち上げた。

・21世紀の息吹を発信したい。21世紀にふさわしい学校像を考えているが、かつ心配もしている。今、人間力の養成を考えている。それとは
(1)基礎学力、(2)自己改革力、(3)人間関係力
の3つで、21世紀に求められていると思う。「人間力」と「進学指導」の両輪で、7度めの学校改革を目ざしていきたい。

続いて、昭和鉄道高校の学校長・北山雅人先生の挨拶がありました。

・本年、創立して80周年を迎えた。近年、とくに改革の必要性を感じている。社会のニーズに合わせて改革をやっていきたい。最近の高校進学は普通科志向が強く、工業系は減っている。

・この春の卒業生は223名。うち就職希望者は202名で、鉄道業界に199名が就職した。今年も9月16日の就職解禁以降、JR東日本、JR東海、JR西日本に60名以上が内定。私鉄各社にもかなりの内定が出ている。

・交通産業界はこれまで男性色が強かったが、最近、スピード・安全・サービスの3つが強調されるようになり、女性採用が多くなってきている。女子生徒の育成にも力を注ぎたい。

・生徒たちは目的意識の高い集団で、たとえば栃木県からという具合に、新幹線通学者が多くなってきている。北海道や九州からの受験生もいる。

・いま求められるコミュニケーション能力は挨拶が基本。挨拶がしっかりできる学校を目ざすなかで、コミュニケーション能力を高めたいと思っている。入れる学校ではなく、行きたい学校・楽しい学校・通ってよかったと思える学校を目ざしていく。

<私の感想>

商業高校からスタートし、今ではすっかり普通科高校に転進した豊島学院高校、交通産業界の人材を養成する昭和鉄道高校……学校施設は仲良く隣り合わせにあって、どちらの内容もユニークですね。
私は、塾説を聞きにいくつかの学校を歩きながら、「個性」に注目していました。一般的に、「個性」は建学の精神・教育理念とイコールの関係にありますから、「個性」は学校の大きな武器になります。一方で、「個性」が時代の変化と離反してくると、うまく回らなくなってしまいます。学校を取り巻く環境は変化し続けているわけで、そこに学校関係者の多くの苦労や努力の点があるのでしょうね。大きく時代を見据えて、超長でもなく超短でもない中期の時間軸の視点も忘れてはならないと思うようになりました。今日、説明会を聞き、豊島学院・昭和鉄道両校は「個性」がうまく回っているように感じられました。


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