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玉川聖学院中等部・高等部 |
東京都 |
女子校 |
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△学院長・バーナード・バートン先生は米国に出張中のため、代わりに中高等部長・水口洋先生より「玉聖の現状について」の挨拶がありました。
・ 教育方針は、
1)かけがえのない「私」の発見
2)私に与えられた使命、可能性の発見
3)私と同じように「あなた」も大切に
の3つ。今、教育方針を実現できる環境が整ったと感じている。私学は、教育方針を実現していくことと、家庭と共同体をつくっていくことが大事だ。生徒を見ていると、3つの教育方針が実現しつつある。
・かけがえのない「私」の発見は、「自尊感情」を育てることにある。
△日本の子どもたちは、この自尊感情が低い。私が関係しているカウンセリング研究会でもテーマになっているが、自分に自信が持てなかったり、他者と比較することでしか自分の立ち位置を確認できない子どもたちが多い。原因の1つは「10歳のキズ」。思春期の時期に親からネガティブメッセージを受け取っているからだ。たとえば「○○ちゃんと比べて……だめじゃない」と親は言い、心の深いところでキズを負ってしまう子が多い。親の一言で子どもはキズつき、内にこもってしまう。
・学校は自尊感情を育てる場である。
△玉聖は、素敵な自分に気づいてもらうために一人ひとりを大事にする。でもそれは、体験を通してでないと自分のものにはならない。だから、体験を通して素敵な自分に出会っていく。
△何歳になってもやり直せるし、自尊感情を取り戻せる。一人ひとりを大事にするとは、他者との関係をつくっていくこと。自分を映し出す鏡として友達の存在がある。だから、自分を映し出す鏡としての良質な人間関係を築いていく。他者との関係性の中で、自我を調整していく能力を高めることが生活指導の中心である。それを、授業の中で取り上げたのが「総合学習」だ。
・「 総合学習」では、生きる力とか、考える力、やりぬく力を育む。本校は15年かけて「総合学習」を展開してきた。全国から、関係者が見学に来ているほどである。授業の特徴は生徒同士の学び合いだ。他者との共同学習が活性化させる。
・人間性を阻害する考え方に、エゴイズムとニヒリズムがある。この2つをどう克服していくかが教育に課せられた課題である。克服していくために、人とつながっていく、世の中とつながっていく、他者との関係性を深めていくのが教育の基本だ。
・このような土台が確立できてから「自学自習」の習慣づけを行う。2003年度(現高3生)から学力確保の取組みを始めた。高1から新しいカリキュラムを取り入れ、英語・数学はグレード別の授業選択に変えた。学力テストのデータを積み重ねて進路指導もしていくなど、可能性を伸ばすための複合的な取組みができてきた。潜在的能力を持った生徒が集まってきている。玉聖は劇的に変わっていく。教育不信が言われる今、玉聖は教育の王道を歩みたい。
<私の感想>
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終了後、校内見学に参加してみました。のぞいた選択教科の教室では、机が隣り同士ピッタリくっついて並んでいたのに気づき、「?」と思いました。英会話の教室でも生徒がグループになって学び合っていましたが、やはり机は隣りとピタッ。あとで想像したのですが、水口先生が言っていた教育方針「生徒同士の学
び合い」を具現化するために机をくっつけているのかもしれませんね。よく考えられた取組みです。 |
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情報センター(図書館)には、生徒の作品などいろいろの物も参考に置いてあり、その1 つ「人間学」と表紙に手書きされたノートに気づき、手に取ってみました。高1 生のノートです。開くときれいな文字がびっしり並んでいて、所々にプリントや図表が貼ってありました。図の1 つは「日本女性の年齢別労働力率」。M 字型のグラフです。こんなことまで学んでいるのかと思うと、ビックリ! |
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