塾対象説明会訪問記
 
十文字中学・高等学校 東京都 女子校
▲学校ホームページ(クリックで表示)
説明会は中学・高校学校長・永嶋達夫先生の挨拶から始まりました。

・今年、創立86年になる。初めから女子校として出発している。教育方針は「心身を鍛えて、社会に役立つ人材の育成」。

・子どもの数が減少している今日、生徒たちは学校に来て多くの友人と触れ合い、集団の中でもまれて育つ。十文字の方針は、しっかりした人(女性)を育てることに尽きる。

・ 本校の生徒たちは、元気で明るい。1年間皆勤は40%を超える。3年間皆勤は5人に1人。クラブ活動に8割の生徒が参加している。サッカー部が強く、全国大会で3位になった。それに刺激され、バトン部も全国大会へ出場、自信がついてきた。どんどん校外へ出て、日頃の活動の成果を発揮してほしい。

・生徒の「満足度調査」を実施した。20項目中、他校と比して15項目が平均以上だった。平均以下には、先生のほめ方が少ないこととかがあった。この調査を通して、教師と生徒がうまくマッチして教育効果を上げるようにしていきたい。

続いて、中学・高校教頭の坂井喜一先生から学校の取組みについて説明がありました。

・伝統の「自じきょうじゅつ彊術体操」を、全校生徒、毎朝続けている。5学年1500人が校庭で、1学年が体育館で行っている。毎日することで継続する力が植え付けられるようだ。また、朝、身体を目覚めさせるので授業にも良い効果がある。本校の卒業生に印象に残っていることを聞くと、夏の暑い時期にも冬の寒い朝にも欠かさずやった「自彊術体操」が一番に挙がる。

進路状況について
  大学…………86.6%
短大…………1.6%
専門学校……2.3%
就職…………0.3%
浪人生………9.2%
大学進学先
  国公立・早慶上智………6.5%
MARCH………………7.2%
成蹊・成城・女子大……40.3%
日東駒専…………………12.5%
理・薬……………………26.2%
その他……………………7.3%
4年制大学進学率の推移
  19年度……80.6%、20年度……86.6%

これらは、きめ細かい進路指導の結果である。とくに、個人面談が効果を上げている。ともすれば持続力が弱い女子生徒に、じっくり話し合って「がんばろう!」と声を掛けている。コミュニケーションを密にして頑張らせることが大事。
今後、今以上に4年制大学進学率を上げるのは難しい。そこで、今後は質を上げたい。レベルアップをはかり、MARCH レベルを厚くしたい。スーパー選抜クラス(平成19年度より設置)を立ち上げたのは、その理由から。また、理・薬系の進学率は26.2%だが、女子校が生き延びるためにも理・薬も頑張っていかなければならない。

・スーパー選抜クラスの特徴について。国・数の時間を増やしている(難関大につながる)/夏休みの講習を必修にしている/夏期勉強合宿も必修(国立女性会館で実施)など。
スーパー選抜クラスは、まだ学習習慣の定着をはかっている段階である。家庭学習の定着をはかる目的で「タスクノート」を持たせている。課題の消化具合をチェックするノートだ。スーパー選抜は1 クラスしかないので、クラス替えがない。単位数が違うので入れ替えが出来ない。閉塞感を心配していたが、クラブ活動を普通クラスと一緒にやることでノビノビやれているので一安心している。

この後、21年度入試の募集要項について、夘木先生から説明がありました。話の中で印象に残ったのは以下のことでした。

・ 普通クラスで6割から6割5分、スーパー選抜クラスで7 割できれば合格できる問題作りをしている。

・ 本校の生徒は、“おとなしい”“がんばりやさん”の性格の子が多い。

<私の感想>

授業を観ることができたのがよかったですね。説明会では初めてでした。なかでも、生物の授業(中1生)が印象深かったです。「生物の授業」は、黒板にパンダの絵が4枚貼ってあり、それぞれ微妙に違いがあるのです。先日、動物園に動物の観察に出かけ、しっかり観てきたはずなのに、記憶はあいまいで、どの絵が正解かで揺れていました。最後は挙手でしたが、バラバラ……。
授業のネライは→観察することがいかに難しいかを知ってもらうこと、生き物のすばらしさに気づいてもらうこと。ひるがえって(ここからは先生は言わないそうですが)、友だちのすばらしさに気づいてもらい、生きることの大切さを感じてもらえれば、というのが授業に隠されたネライだそうです。感心しました。こんなところにも、十文字の躍進の秘密があるのでしょうね。


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