世田谷学園中学校・高等学校 東京都 男子校

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 はじめに学校長より挨拶がありました。

  • 本学園は曹洞宗の禅の精神に基づく教育を掲げている。ときには座禅があり、登校すると校門での一礼から一日が始まる。
  • 中学・高校とも、「生き方」の授業で「般若心経」の写経を行うこともある。
  • 本学園の歴史は古く、417年前に開設された曹洞宗の僧侶養成機関が前身であり、明治35年になって駒込吉祥寺の境内に学校を開校したのが本学園の創立年である。
  • 建学の理念は、お釈迦様の教え「天上天下唯我独尊」に基づく。人は皆それぞれの価値観や文化をもっており、お互いにそれを認め合うことで平和な社会が可能となる(世界観)。同時に、人は一人ひとりかけがえのない尊い存在であり、立派な人間になる力をもっている(人間観)。この世界観・人間観が建学の理念であり、学園づくりに生かしている。
  • 生徒の目標を実現するのに、教師は何ができるか考えている。そこで、教職員研修にも取り組んで、意識改革・スキルアップをはかっている。生徒一人ひとりが第1志望の大学に合格できるようにしていきたい。生徒はモチベーションが高い。東大2ケタ合格、早慶100名合格を目ざしたい。
  • 生活指導について。「眼横鼻直(がんのうびちょく)」という言葉がある。当たり前のことを当たり前にするということ。「おはよう」「ごめんなさい」「いただきます」……素直に言える子に育てたい。心は目に見えない。心に言葉が伴って、立ち居振る舞いとなって目に見えてくる。
     人は1つの言葉で喧嘩したり、1つの言葉で仲良くなったりする。当たり前のことを当たり前に、平常心の心を高く保つことが大切。ケータイやメールで便利になった反面、使い過ぎや、間違った使用法とで目に余るものがある。自分をいかにコントロールするかが大切。メールで夜通しやりとりしているのに、面と向かってだとやりとりができない子どもが多くなっている。対話が成立していない。恋人たちが目を見て語り合うことができない。相手の目を見て挨拶をすることとか、当たり前のことを身につけさせたい。クラブ活動後の後片付け、後始末も。
  • 江戸時代の中期、海女が雨降る日に蓑を着ていく情景を詠んだ歌がある。海に入れば濡れるのはわかっていても、海岸まで蓑を着けていく。これが日本人の心なのだ。他人が見ていようといまいと、赤信号では渡らない。一人のときの行動こそが、その人の品格を表す。本学園は良き品格を育てる学校である。良き生徒を育てていきたい。

 次に、「大学合格実績」が進路指導部長からありました。

  • 本学園の受験生心理は、男子校であるので東大や国公立大学、私大の上位校に強気の姿勢でチャレンジする生徒が多い。最後まであきらめさせない。今年も受験生が強気の出願をした。
  • 数学に強い生徒が多い。だから慶應大学を目ざす生徒の多くは数学で受験する。
  • 国公立を受験しようという生徒が増加している。H18年11.7%→ H20年16.7%と右肩上がりである。
  • 現役の進学者数だが、国公立大31名、私立大104名であった。率で見ると60%。現役合格者が74%であるから、およそ13 〜14%は来年の再チャレンジ組となっている。
  • 理系の方が多いイメージがあるが、実は現役進学者数は、文系71名、理系64名と、文系の方が多い。医・歯・薬系進学者は11名、8%である。
  • モットーは「明日を見つめて、今をひたすらに」「違いを認め合って、思いやりの心を」である。国公立大進学の層を増やし、慶・早の合格率アップを目ざしたい。

私の感想

 登校・下校時には、生徒は校門で校舎に向かって感謝の気持ちで一礼します。世田谷学園は、礼に始まり、礼に終わる学園生活に特色があります。
 大学受験生の第1志望校にかける思いは強く、モチベーションを高く維持しながらチャレンジしているようです。強い思いが好結果につながっているのでしょうね。

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