安田の目
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■ Mail Magazine《学研/首都圏中学受験ニュース》連載
『中学受験 虎の穴』第21回〜40回
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∩ 《連載/第40回》
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l⊃ノ ┃中┃学┃受┃験┃┃安┃┃田┃┃の┃┃目┃ ◎安田教育研究所
/ / ┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ 代表 安田 理
主に「大学合格実績」を上げるため、私学のなかにはさまざまなハード
な指導を行っているとことがあります。保護者はそうした学校を評価し、志
望し勝ちですが、そのウラで生徒に歪みがでている実態もあります。今回は、
表面やオモテからでは分からない「数字」について……。
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■ オモテに出ない数字
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┃今┃の時期、保護者のみなさんは受験予定校から各有名大学にどれだけ合
┗━┛格しているか、非常に気にされていると思う。当然、お子さんの将来
を思い描いたとき、わが子もその一員になれるよう望んでいるわけである。
ただ頭の片隅に入れておいていただきたいことは、こうした明るいルート
の一方で、中学の段階で退学、卒業時に併設の高校に進めず他校へ転出する
ケースも少なからずあるということだ。
したがって、大学合格者数だけでなく、中退していく人数(その理由)、
他校へ進学する人数(その理由)などにも関心を持ったほうがいいのではな
いだろうか。こうした点から学校が生徒をどのように考えているかわかった
りするものだ。
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┃0┃時限もあり、放課後講習もある。レベルの高い教科書・副教材を使っ
┗━┛ている。夏休みも冬休みも長期間講習がある。保護者にはそうした学
校が歓迎されているが、ハードに勉強させる学校ほど、大学合格者数が急上
昇する一方で、生徒に歪みが来ている現実もある。
学校の戦略が功を奏して評価が上がることが、わが ,−−、
子の幸せに繋がるように思いがちだが、この2つはま / \
ったく別次元の話である。こうしたことも知った上で V・ ・V
学校選びをしてもらいたいものである。 ω人=♀=ノω
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(2008年4月10日配信)
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∩ 《連載/第39回》
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l⊃ノ ┃中┃学┃受┃験┃┃安┃┃田┃┃の┃┃目┃ ◎安田教育研究所
/ / ┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ 代表 安田 理
今回は、年度によって大きく変わる受験状況について。来年はサンデー
ショックの年にあたります。保護者の情報収集の差がその結果に及ぶことも
多々あります。さて、第2作めの書き下ろし『中学受験 ママへの「個別指
導」』(学研刊)が出ました。本屋さんでご覧ください。また、講演会のお
知らせも下記に掲載しました。いちど参加してみてください。
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■ 年度で入試状況が大きく変わる学校がある
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┃国┃立大学の後期日程が目下行われているところだが、それを除けば入試、
┗━┛シーズンも終わりを迎えようとしている。仕事柄、毎年中学入試の出
願状況をチェックしている。
そうすると前年とまったく違う入試状況になる学校がある。2007年度入試
では500名台の出願だったものが、今年はなんと3000名もの出願があった学
校、昨年は90%以上が合格して不合格者は60名しか出なかったのに、今年は
400名以上の不合格者が出た学校……。
1年でこんなにも変わってしまう学校があることを発見する。こうなると
合格レベルもまったく違ってしまう。前年なら間違いなく受かっていたもの
が落ちてしまう、逆に前年までなら受かっていない子が受かるということも
起きる。
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┃入┃試にはこうした側面があるということを、これから入試を迎えるご家
┗━┛庭は知っておいていただきたい。入試には「絶対安全」はないのであ
る。
それであるからこそ、受験生本人は入試当日に向けて最善の努力をするこ
と、親としては不測の事態に備えて万全の併願作戦を組む必要があること。
健康管理、精神面の安定を心がけることはもちろん、出願・入学手続きなど
の事務上の失敗も絶対しないようにすることが大切だ。
年々、中学入試は親子の二人三脚(最近では父親も ,−−、
含めた三人四脚)の色彩が濃くなってきている。そう / \
であるなら、来年のサクラの季節には三人そろって入 V・ ・V
学式に出席したいものである。 ω人=♀=ノω
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(2008年3月10日配信)
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∩ 《連載/第38回》
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l⊃ノ ┃中┃学┃受┃験┃┃安┃┃田┃┃の┃┃目┃ ◎安田教育研究所
/ / ┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ 代表 安田 理
現在、単行本の発行に向けて最後の追い込みに入っています。昨年の処
女出版『中学受験 わが子をつぶす親、伸ばす親』につづく今回の第2冊め
は『中学受験 ママへの「個別指導」』(学研/3月4日発行予定)です。ご
期待ください。さて中学入試も終わり、入学の準備の時期に入りつつありま
すが、「不本意な学校」に入学される保護者へのアドバイスです。
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■ 入学する学校を喜んであげたい
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┃受┃験は、どこのご家庭にとってもビッグイベントです。受験生活が長く、
┗━┛大変であればあるほど結果への期待も大きかったと思います。それだ
けに、入学先が望んだ学校でなかったときには、どうしても「あれだけやっ
たのにこんなところにしか受からなかったのか」「まさか、こんな学校に行
くとは思ってもいなかった」、心の中にはこうした思いが生じてしまいます。
が、親がショックを受けて立ち直れず、いつまでも引きずっていると、子
どもは自分が不合格だったこと以上に傷つき、入学を喜べず、当然積極的に
勉強する気も起きません。入学した学校が好きでなければ、友だち関係もう
まく行くはずがありません。入学先を聞かれるのが嫌で外出もしたくない。
小学校の卒業式にも出たくない。親がそんな姿勢でいると、お子さんを苦し
めるだけです。
┏━┓
┃私┃は仕事柄いろんな学校の先生とお話しする機会がありますが、しばし
┗━┛ば耳にすることが、「いつまでも本当はこの学校には来たくなかった
んだという気持ちでいる生徒がいて、そういう子は学業的にも伸びない」と
いう話です。そしてそういう子の場合は、たいていが親のほうがそのような
気持ちでいることが多いということです。子どもが学校に楽しく通え、入学
してから成長するためにも、一日も早く悔やむ気持ちはふっ切ってください。
私からお願いしたいことは、子どもの入学先を聞かれたときに、「恥ずかし
くて言えないわ」とは決して言わないでください、ということ。お子さんが
4月から通う学校なんです。堂々と校名を言いましょう。
,−−、
私は長いこと受験に関わる仕事をしていますが、毎年 / \
のように思い起こすのは、「人生万事塞翁が馬」という V・ ・V
故事です。 ω人=♀=ノω
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(2008年2月10日配信)
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∩ 《連載/第37回》
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l⊃ノ ┃中┃学┃受┃験┃┃安┃┃田┃┃の┃┃目┃ ◎安田教育研究所
/ / ┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛ 代表 安田 理
いよいよ受験本番。受験生本人以上に親が一喜一憂して動揺しがちなの
が中学受験です。親の動揺がお子さんにいい影響を与えるとも思えません。
結果がどうあれ「人事を尽くして天命を待つ」の心境が必要。そして、すべ
てが終わったときどう向き合うべきか・・・“その時”へのアドバイス。
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■ 「がんばったね」
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┃す┃でに埼玉や寮のある地方の学校の首都圏会場入試が始まっている。読
┗━┛者のなかには合格・不合格の報をいち早く手にされた方もいることだ
ろう。
中学入試では第一志望校に受かるのは約3割。受験する学校自体が受験生
活に入った当初に思い描いていた学校とはずいぶん違ってきたり、合格して
も「いちばん入りたかった」学校ではなかったりするのが、多くの場合の現
実だ。
近年の中学受験は、親も2年、3年と苦労してきているだけに、どこにも
受からなかったりしたら、怒り狂いたくなるだろう。たとえ受かっても、第
4、第5志望だったりしたら、ホッとはするものの、心底から喜べず、つい
「勉強しなかったからこんな結果になったのよ」「あのときもっと頑張って
おけばよかったのに・・・」といった言葉が口から出てしまう。
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┃そ┃んなときは、自分の子ども時代のことを思い出してほしい。自分はそ
┗━┛んなにがんばっていただろうか。親の目から見たらとても満足できる
ものではなくても、最近のお子さんはこれまでとは違う表情を見せていなか
っただろうか。十分ではなくても、お子さんなりに少しは努力していたので
はないだろうか。どうしても不本意だった結果だけに目が行ってしまうが、
最近のお子さんの顔、姿を思い起こしてほしい。
どんな結果になろうとも、どこにも受からず公立中学に進むことになって
も、進学先の学校が偏差値30台、40台であっても、「ご
苦労さん」「お疲れ様」「よく頑張ったね」―そう言っ
て上げてほしい。 ,−−、
/ \
そうした言葉は、実の親くらいしか投げかけられない V・ ・V
のだから。 ω人=♀=ノω
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(2008年1月10日配信)
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∩ 《連載/第36回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
師走を迎え、一部の学校では入試がスタート。いよいよ本番が迫って
くると、それに果敢に立ち向かう子がいる一方で、それを恐れ怖がってし
まい力を十分に出し切れないタイプの子がいます。同レベルの学力であっ
ても、メンタル面での差が本番での成否を決するケースがあります。今回
は、そんな場合のアドバイスを、安田先生に書いていただきました。
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■ 日常の自信が受験にも影響する
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┃就┃職活動で、難関大学の学生は、少しでも自分がやりたい仕事に繋がる
┗━┛会社に内定が出るまでは粘り強く頑張り、世間的評価の低い大学の学
生は、5、6社に面接ではねられると全人格が否定されたように受け取って
しまって就職活動自体をやめてしまう、ということがよくある。
実はこれと似たようなことが、中学受験の場でも見られるのである。
難しいところにチャレンジ受験しようという子は、普段からなんとなく自
分に自信のある子が多い。同程度の偏差値を持っていても、普段の学校生活、
家庭生活で主役になれないでいる子は落ちることを心配してチャレンジしよ
うとしない。
それは、落ちたときのショックの受け方にも現れている。自信のある子は
「○○の科目で失敗したからしょうがないや。次頑張ればいい。」と立ち直
りが案外早い。が、自分に自信を持てない子は、複数落ちると自分の存在自
体が否定されたような気になってしまい、その後の受験に尾を引きがちであ
る。
┏━┓
┃こ┃うした経験は次の学校段階にも影響し、大学受験でも一般受験を怖が
┗━┛って、推薦入試(大学入試ではこれに加えてAO入試)での進学を選
択しがちである。
受験では、受験対象の学校のレベルばかりを気にして、こうした子どもの
メンタリティーをつい忘れがちだが、要素としては結構大きいものがある。
併願校をどうするか決める時期だが、この機会にわが子のメンタリティ−
についても考察してみてはどうだろうか。それによって
併願作戦も変わってくるはずだ。 ,−−、
/ \
それともう時間がないが、いまからでもわが子に自信 V・ ・V
を持たせることを是非やっていただきたい。 ω人=♀=ノω
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(2007年12月10日配信)
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∩ 《連載/第35回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
さきごろ発表された「全国学力テスト」の調査結果、秋田・富山・福井
が小6、中3とも上位でした。安田先生によると、これらの県の共通項は、
「富裕層も少ないかわり貧困層も少ない穏やかな社会、子どもたちのストレ
スによる学級崩壊がなく、授業がきちんと成立している学校」といったイメ
ージが浮かんだそうです。「生徒も先生も和気藹々(あいあい)、こんな学校
風土が生徒の学力も伸ばしているのでは……」と、ふと感じたそうです。
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■ 中学入試の高校入試化が進む
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┏━┓
┃単┃純でスッキリしていた中学入試も、このところだんだん複雑になって、
┗━┛高校入試と似ている部分が多くなってきた。
高校入試では、特進コースの合格点に達しなかったときに選抜コースに、
選抜コースの合格点に達しなかったときに総合コースに、「スライド合格」
できるという制度を採っている学校がたくさんある。
ここへきて同様な方式が中学入試でも生まれてきているのだ。背景は「コ
ース制」が広がってきたからである。難しいコースを受けてダメだったらそ
れでおしまいというのでは受験生の心理としては不安である。受けた難しい
コースの基準に達しなかった場合にはやさしいコースに「スライド合格」で
きるというのであれば安心して受験できる。
学校側にとっても、より多くの受験生を獲得するのに有効な手段であるこ
とが、広がっている理由である。
┏━┓
┃特┃待生については、一般入試の中できわめて成績が優秀な受験生を特待
┗━┛生にするという制度を採っている学校が多いが、独立した「特待生入
試」(多くは上位校と併願してもらうために午後に行っている)を実施する
学校も増えだしている。
これについても、一般入試で合格をとった後で「特待生入試」にチャレン
ジできるという高校入試で行われているスタイルを採る学校が出だしている。
これも、受験生にとって、「特待生入試」は合格者はごく少数になるから
受けにくいが、一般入試で合格を取れて入れば、ダメモトでチャレンジでき
るというメリットがある。
このように、受験生に便宜を図ることで、少しでも多
くの受験生を集めようと各校が工夫を凝らす時代になっ ,−−、
ている。年々複雑になっているだけに、受験予定校につ / \
いては早めに願書を入手し、募集要項に目を通して、わ V・ ・V
が子にとって有利な制度を見落とさないようにしたい。 ω人=♀=ノω
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(2007年11月10日配信)
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∩ 《連載/第34回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
多忙な仕事に追われ「目の前の仕事をひたすらこなす日々。こんなこと
で いいのだろうか、そう思いながらも時は過ぎていく。だが、日常の小さ
な仕事のそれぞれに自分なりの思いを込める。そうしたことの積み重ねが一
つのうねりを生む。そんな風に思うようにしている」安田先生の最近の感想
です。受験勉強にも通じますね。日々の課題を着実にこなすことが大切です。
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■ 中学入試のカジュアル化が進む
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┃あ┃る学校の学校説明会に足を運んだ。会場は超満員。予約制でないので、
┗━┛予想を大きく上回り、あわててパイプ椅子を運び込む有様だった。後
で聞いたところによると、前年同時期の1.2倍の参加者数だったという。
学園生活のビデオが流され、校長、教頭の話が続く。最後に広報担当の若
い先生が前に出て、募集要項について話し出した。
「筆記用具もすべて用意してお待ちしています。散歩がてらお越しください」
受けた。会場からは笑い声が上がった。
が、私は「こんなことを言って信頼感が得られるのだろうか」と心配にな
った。受験する側も、こんな軽いノリであっていいのだろうか。
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┃い┃ま中学入試の現場からは、面接がなくなり、通知表も不要になり、1
┗━┛回の受験料で何回でも受験でき、午後入試が猛烈に増加し、ダブル出
願・トリプル出願が広がり、合格発表も即日に発表し、入学手続きは入試シ
ーズンがほぼ終わる時期まで待つ……といった具合に、「受験生にとって受
けやすい制度」という建前の元、カジュアル化がどんどん進んでいる。
実はこうしたことが、学校選択を安易にさせているように思う。わが子と
受験する学校とを徹底的に研究することなく、ただたく
さん軽く受ける。受験はたくさん合格を取ることが成功
なのではない。いちばん行きたいところに合格するのが ,−−、
成功なのである。 / \
V・ ・V
原点に帰って、絞り込んだ受験をしていただきたい。 ω人=♀=ノω
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(2007年10月10日配信)
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∩ 《連載/第33回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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安田先生はこの夏休みに、信州伊那の「下栗の里」を旅行された。別
名“天空の村”といって、標高もたいへん高い。すばらしい景観と苛酷な生
活、両面でインパクトのある場所だったとか。「こういうところでも人は生
きていくのだ」「生きていけるのだ」という「生きる」「生活する」実感を
都会の子どもたちに持たせたいなと、ついつい思ってしまったそうです。
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■ 志望校対策の危険性
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┃各┃年度の事業計画を達成するために、業界でそのときそのときに売れて
┗━┛いる商品を真似た商品を開発することにばかり力を入れている会社が
ある。そうしたことを繰り返していれば、当然自社のオリジナルな商品を作
り出す底力はなかなか育たない。
受験勉強における志望校対策の勉強にもこれと似たようなことを感じる。
志望校の出題傾向を分析して、出そうな単元にしぼって勉強する。個別指導
塾や家庭教師に特定の教科だけ重点指導を受ける。
合格に向けて、こうした志望校対策は欠かせない、これこそ合理的で効率
的だと思っている人が大勢いる。入試が迫り、時間が貴重になってくるとし
ぼりたくなる心理になることはわかる。
┏━┓
┃一┃通り全範囲の受験勉強が終わった後ならこうした志望校対策に集中し
┗━┛てもいい。が一通り全範囲が終わっていないのに、志望校対策にばか
りしぼってしまうことは、先のことを考えるとマイナスだ。
入学後に伸びない生徒にはその学校への対策ばかりやって合格をつかんだ
ケースが実は多いのだ。高い山ほど裾野も広いように、将来伸びるためには
幅広い分野について少しでもかじったという経験と知識を持つことが欠かせ
ない。
受験生活の渦中にいると、どうしても目の前の月例テ ,−−、
スト、模擬試験、通知表が気になる。が、そうした中で / \
も、本当の目的はどこにあるのかを常に意識するように V・ ・V
していただきたい。 ω人=♀=ノω
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(2007年9月10日配信)
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∩ 《連載/第32回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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「大学進学実績」・・誰もが志望校の絶対的な根拠とするこのデータ。
その根拠を危うくする事件がありました。最近の私大入試制度の変更では、
“1人が1回の入試で多数の学部・学科の合否が判定される”ことが可能に。
このことを悪用したものでした。こんな時代の「学校選択」とは・・・。
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■ 学校選択の価値をどこに置くか
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┃大┃阪のある私立高校が、優秀な生徒に受験料を学校が負担して4私大
┗━┛(関西、関西学院、同志社、立命館)の73もの学部・学科に出願させ、
合格者数を稼いでいたことが問題になった。
この学校は「関関同立」の合格者数を144人と発表していたが、実際は1人
が半分以上の実績を出していたことになる。大学入試センター試験の結果だ
けで合否を判定する私大の入試を利用したものだが、これは極端なケースに
しても、同様なことはその後10校以上でも行われていたことが判明している。
大学入試センター試験だけではない。最近の私大入試では(東京の有名私
大でも)全学統一入試というものがあり、1回の入試で多数の学部・学科の
合否が判定されるようになっている。つまり、学校側が受験料を負担する、
しないという側面を別にしても、1人が以前よりはるかに多くの合格を手に
することが可能になっているのである。
┏━┓
┃大┃学合格者数はこのようにバブル傾向にあり、年々持つ意味が軽くなっ
┗━┛ている。それなのに相変わらず前年春の大学合格実績が良かった学校
に応募者は詰め掛ける。
だからどこも少しでも数字を多く見せようと延べ人数を発表する。そうし
たなか、正確な進学者数をキチンと出している学校が少数ながらある。こう
した学校こそ信頼できるのではないだろうか。
,−−、
また今回の出来事を、数字でなく、学校の教育の中身 / \
で学校選びする転換点にしてもらえたらいいのではない V・ ・V
かと思う。 ω人=♀=ノω
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(2007年8月10日配信)
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∩ 《連載/第31回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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そろそろ個別の学校説明会シーズンがはじまります。さて学校訪問して、
どのポイントに注目して学校を評価するでしょうか。今回は、学校選択のさ
いに見逃しがちな“落とし穴”ともなっている大切なことについて・・・。
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■ 学校説明会では先生に注目して
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┃3┃月21日、春分の日で学校は休みだったがその先生は学校に出た。1
┗━┛本の電話が学校にかかってくることを予感して。案の定、昼過ぎ、教
員室の電話が鳴った。「先生! 合格しました! これから行きます!」生
徒は学校が休みであることも忘れて、まっしぐらに学校に駆けつけてきた。
大学前の和菓子屋さんでたくさんの餅を買い込んで。
数週間前のその国立大学の前期試験。その生徒は数学で失敗してしまった。
「どうしよう」―その先生に相談した日から二人のチャレンジが始まった。
後期の試験日まで時間がない。先生は生徒の性格と弱点を考えて15冊の本
を選んだ。生徒は猛スピードで読み、死に物狂いで小論文を書き、先生はそ
れを添削し続けた。そうして勝ち取った合格だった。
6月の学校説明会のとき、先生はその生徒のことを「同志」と言った。戦
いに挑んだ壮絶な日々が、無意識のうちに「同志」という言葉を使わせたの
だろう。
┏━┓
┃学┃校を選ぶとき、知名度とか、偏差値とか、大学合格実績とか、カリキ
┗━┛ュラムとか、校舎とか、交通の便とか……数字、ハッキリ目に見える
もので選ぶことが一般的だ。年々そうした傾向が強くなっている。
数字は客観的であるから、それらをもとに判断することは間違いの少ない
選択方法であることは確かだろう。が、このような先生との出会いこそ、中
学・高校生活での最高の財産ではないだろうか。客観的な条件に優れている
学校を探すばかりでなく、学校選びなのだからもっと「先生」に目を向けて
もいいのではないかという気がする。
多感な中学・高校時代、これから大人になっていく過程で、どのような人
生観、教養、趣味、刺激……に接するかはとても大切なことである。そして
それらは何より先生から受ける部分が大きいのだ。
,−−、
これからの学校説明会では、「数字」以上に「人間 / \
性」を感じさせる部分があるかどうかに注目してはど V・ ・V
うだろうか。 ω人=♀=ノω
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(2007年7月10日配信)
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∩ 《連載/第30回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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併願をどうするかは大きな問題ですが、今回は、多くの受験生が偏差値
偏重のパターンに陥りがちなことへの忠告です。さて、精力的に執筆や発言
の活動をされている安田先生ですが、6月16日には淑徳学園で、保護者向け
の講演を行います。下記の案内を見て、お申し込みください。
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■ 併願パターンに頼らないこと
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┃秋┃になると様々な受験情報誌や塾の資料に、学力別の代表的「併願パタ
┗━┛ーン」が掲載される。が、それらはほとんどが試験日程と偏差値から
考えだされたものである。併願校の中には別学・共学が混じっていたり、進
学校・付属校が混じっていたり、宗教系も入っていたり……「合格可能性」
が中心の併願作戦だから学校ごとの特色はほとんど考慮されていない。
実際にそうしたものを参考に受験するからだろう。学校を訪ね、日程ごと
の併願校のリストを見せてもらうと、まったくタイプが違う学校が上位に並
んでいたりする。
古くからの学校で、しつけもしっかりしているイメージの学校の併願校に
プロテスタントの学校があったり、ハードに勉強させることで知られる進学
校があったり、共学の付属校があったり……といった具合である。これらに
共通することといえば偏差値が近いということだけである。
┏━┓
┃こ┃うした受験作戦で、たまたま受かったところに進学となると、入学後
┗━┛の生活は勉強面でも生活面でもまったく違ったものになる。お子さん
を送らせたい学園生活、伸ばしたい分野、目指させたい進路、そうしたもの
をいまのうちにしっかり考え、そうしたものに合った学校のリストをまず作
成したい。併願校もそのリストをもとに決めたいもの
である。 ,−−、
/ \
いまそれをしないでおくと、本番が迫れば迫るほど V・ ・V
「受かる学校」探しになってしまいがちだ。 ω人=♀=ノω
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(2007年6月10日配信)
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∩ 《連載/第29回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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最近開かれた小学校のクラス会で当時のアルバムを見たとき、安田先
生は「このころの時間それ自体が人生の財産」と強く感じたそうです。さて
今回は、学校選択で重視する大学合格実績の見方について---。
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■ 「大学合格者数」はここを見たい
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃新┃聞社系週刊誌の「高校別大学合格者数ランキング」記事も総集編が出
┗━┛て一段落した。各高校の大学合格実績の全体像もほぼつかめ、我々業
界の人間の間では、早くも来年度入試で難しくなるであろう学校の校名が上
がっている。
というのは、入試での応募者数が、年々前年春の大学合格実績にすごく影
響されるようになっているからである。
1名でも、2名でも東大合格者が誕生すれば、その学校の翌年の応募者は
グンと増えるという現実がある。が、我々のように長年受験の世界を見つめ
ているものは、大学合格実績というものは今年よければ翌年は落ちるなど、
年度により波があることがわかっている。
┏━┓
┃そ┃もそも難関大学の合格者数が減ったからといって、学校の中身が悪く
┗━┛なっているわけではない。「大学合格者数」を見るときは、
1・単年度で見るのではなく、5、6年の長いスパンで全体として向上して
いるかどうかを見た方がいい。
2・浪人して合格するのは予備校の力だとして、「現役合格率」にこだわる
人が多いが、中高時代に勉強以外のことをいろいろ経験することも長い
目で見れば大切。現役にこだわる必要はない。
3・数名の東大合格者数より、その学校のボリュームゾーンがどこに進学し
ているかに注目したい。進学者数がわからなければ、合格者数1位、2
位の大学はどこか、といった見方をしてもいい。その方がよりわが子に
関係する。
4・特定の大学が多くなくても、進路が多様な学校の
方が、それぞれの子どもの個性をそのまま伸ばし ,−−、
ている学校といえる。 / \
V・ ・V
以上のような見方もしてほしいものである。 ω人=♀=ノω
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(2007年5月10日配信)
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∩ 《連載/第28回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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さきごろ発行された『合格アプローチ』4月号の誌上座談会に、安田
先生が登場しています。ことしの受験を振り返り、特徴的な動きや出来事を
紹介しています。具体的な学校名などもあり、今後の参考になりそうです。
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■ 「お客様は神様」では子どもは成長しない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃入┃試が終わり、3月に何人もの校長と会った。雑談の中でしばしば出て
┗━┛きたことが、ルール無視(担任を飛び越えてすぐ校長に言ってくる)、
わが子のことしか考えない(クラス、学校全体のことなど視野に入っていな
い)、高い学費を払っているのだからいろいろ注文するのは当然……といっ
た保護者が年々多くなっているという話。
新学年を控えたこの時期、「新年度は英語はT先生に、数学はO先生に、
国語はF先生にしてほしい」という要望をしてきた保護者までいたという。
企業がさかんに「顧客第一主義」を言い出すようになってから、世の中に
はいつの間にか「お金を払っている方が偉い」という感覚が蔓延している。
私が中学のころは、「きみたちは単なる消費者なのだから、車内では生産者
(物を造って社会に貢献している)に席を譲り立っていなさい」、先生にも
親にもそう言われ、「そういうもんだ」と思っていたものである。
背景には、当時の親たちの中には、お百姓さん、漁師さん、エンジニア、
大工さん……そうした我々の生活を支えてくれる人たちへの無意識の感謝が
あったような気がする(実際、ご飯粒を残すとしかられた)。
┏━┓
┃子┃どもに、これから学校生活で多くのことを吸収させたいと思うなら、
┗━┛先生は自分よりはるかに多くのことを経験してきた存在であるという
こと、学ぶ点がたくさんあるということ、そうした意識を持たせたいもので
ある。
「自分の方が偉い」という意識からは、乾いた砂のようにたくさんのことを
吸収する耳も、目も、脳も育ちはしないのだから。
,−−、
新学年だからこそ、この機会に、ひとりの保護者と / \
して、学校、先生への姿勢を考えていただきたいと思 V・ ・V
った次第である。 ω人=♀=ノω
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(2007年4月10日配信)
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∩ 《連載/第27回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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新しい学年の中学受験がスタートしました。しかし、極めて厳しかっ
た07年受験の余波はまだまだつづいています。受験した後に、うろたえるこ
とのないよう、いまからしっかりした準備と心構えが必要なようです。
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■ 決められない保護者が増えている
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┏━┓
┃受┃験が終わった今、強く感じることは、受験前に「その学校にした」と
┗━┛いう覚悟をもっと固めておく必要があるということだ。
今年の中学入試は、ものすごく厳しかったせいか、やたらたくさんの学校
を受けまくったケース、当初予定した学校には受からず急遽試験前には考え
てもいなかった学校を受験したケース……例年以上に親子でギリギリの戦い
をした様があちこちで見られた。
入学手続きを前にしたネットの掲示板には、「あくまで押さえのつもりで、
よもや入学することになろうとは思ってもいなかった学校なので、どうしよ
うか悩んでいる」「第3志望の○○校と第4志望の○○校、どっちがいいで
しょう?」「唯一受かったのは偏差値30台、公立に進ませてリベンジさせた
ほうがいいだろうか?」、あれこれ悩む親からの相談があふれていた。
┏━┓
┃ご┃家庭で本人や父親ととことん話し合ったのだろうか。それでも結論が
┗━┛出なかったのだろうか。それをしないで、まず他人の意見を聞いてみ
ようというのはおかしいのではないだろうか。なぜ私立中学を受験させたの
か、子どもをどのように成長させたいのか、原点に帰って考えることこそが
解決策だと思う。
来年以降受験というご家庭は、いまのうちに、本人 ,−−、
を含め家中で受験と学校選びについての考えをまとめ / \
ておきたい。考えが共有されていれば、手続き直前に V・ ・V
迷ったり、悩んだりしないはずである。 ω人=♀=ノω
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(2007年3月10日配信)
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∩ 《連載/第26回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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悲喜こもごもの情景を残して、本年の入試もほぼ峠を越えました。終
わった後にも、やはり迷いはつきものです。今回は、こんなときの心構えに
ついてアドバイス。さて、安田先生初の単行本『中学受験 わが子をつぶす
親、伸ばす親』(NHK出版)がこの2月10日に発売されます。中学受験を通じ
て何を獲得すべきか? 根本から問い直す1冊としてご高覧ください。
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■ どこに受かったかより入学後どう過ごすか
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃ほ┃とんどの人がすでに入学する学校が決まっていることと思うが、なか
┗━┛には決まっていない人もいるかもしれない。入学することになった学
校が第一志望だった人もいれば、そうでなかった人も大勢いることだろう。
昨年こんなことがあった。入学後のクラス分けで「特進クラス」に入れな
かったという生徒と保護者からの相談である。「『普通クラス』ではとても
難関大学には進めそうにないから転校しようと思う」というものであった。
「特進クラス」に入れなかったのは成績が足りなかったからである。頑張れ
ば進級時に上がることも十分可能である。それなのに即、別の場・環境に身
を置きたいと考える。今の場で努力して何とかしようという気迫は感じられ
ない。
┏━┓
┃学┃校に関してもまったく同じことが言える。どこに属せたかで将来が開
┗━┛ける、逆に限界があるかのように考えている。確かに統計上のデータ
を見ればある程度そうしたことが言えることは確かだ。が、そんなに所属す
る(した)場・組織にこだわるのはおかしいとは思わないのだろうか。自分
の、わが子の能力・資質はそんなに外部の力で活かされたり、活かされなか
ったりするものだろうか。
大切なことは、たとえハンディがあったとしても、「それを自分の努力で
克服してやる」という姿勢・ガッツではないだろうか。
これからの時期、「どこに受かった」、「どこに落ちた」ということが盛
んに話題になるだろう。大満足という人はむしろ少数派に違いない。「残念」、
「こんなはずではなかった」、「ここは居場所ではない」―そんな気持ちは
一刻も早く消すことだ。
,−−、
「問題は所属先ではない。あくまで自分がどう活かす / \
かだ」―そう考えられるかどうかが、6年間を充実した V・ ・V
ものにも、つまらないものにもするのである。 ω人=♀=ノω
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(2007年2月10日配信)
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∩ 《連載/第25回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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単行本(『中学受験 わが子をつぶす親、伸ばす親』NHK出版/2月10
日発売)の書き下ろし原稿に追われて、受験生並みにお正月返上で忙しかっ
た安田先生。年末年始にふと、「家から年中行事が消滅していく家庭もあれ
ば、お受験のために杵・臼を購入して実際に餅 つきまでする家があるとい
う」世相に思いをはせたそうです。さて、入試に直面してのアドバイス。
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■ 「粘り」が門を開ける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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┃長┃いこと、中学受験にかかわる仕事をしてきて感じるのは、最近は本人
┗━┛も親も、「打たれ弱い」ということ。「試し受験」で受けた埼玉や千
葉の学校に失敗すると、途端に自信をなくして弱気になってしまう。2月1日
以降の受験予定を見直ししたいと言ってくる。
1校や2校落ちたからといってどうってことないではないか。落ちること
を怖がるのではなく、実力を発揮できなかったのはなぜなのか、発揮できる
ようにするにはどうすればいいのか、原因を具体的に考えるようにした方が
はるかにいい結果につながる。
またどこかに受かれば、「もうここでいいや」と、受験を途中でやめてし
まう受験生がいる。親もそれを認めてしまう。入りたいところがあって受験
生活してきたのに、そこを目指して長いこと勉強してきたのに、途中で妥協、
おしまいではもったいない。
一時の安心感からこうした即断をしてしまうことは避けたいものだ。最初
に立てた受験スケジュールを今一度見直し、最初の時の気持ちに立ち返って
みよう。
┏━┓
┃後┃半戦に受験機会があるなら最後まで挑戦したい。強い気持ちを持つこ
┗━┛と。親もそれを後押しすること。それが好結果につながるのだ。
また、万が一どこにも決まっていなかったとしても、最後まで諦めないこ
と。当初の募集要項にない追加募集をする学校が例年たくさんある。各都道
府県の私立中学高等学校協会やテスト会社のホームページにはそうした情報
が掲載されるので、それらで探すことができる。これ
まで頑張ってきた努力が無にならないよう、最後の最 ,−−、
後までやれることはやってほしい。 / \
V・ ・V
「粘り」こそが困難を打開するのである。 ω人=♀=ノω
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(2007年1月10日配信)
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∩ 《連載/第24回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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教育に関するニュースが注目を集める昨今ですが、『週刊エコノミス
ト(2006年12月5日号/毎日新聞社)』誌で、安田先生は高校での『履修不
足問題』について執筆されています。この“問題の根”について分かりやす
く書かれておられます。表面的でなく、複合的な視点が大切なようです。
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■ きちんと生徒を見ている学校を
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┃「ひ┃とりでもいられる、誰とでもいられる学校に」。ある私立女子中学
┗━━┛校の生徒会が今年の活動目標として決めたスローガンである。いま
どこの学校でも生徒たちは、大人が想像できないくらい、友だち関係に神経
質になっている。
日々の生活の中で、ひとりぼっちになることを恐れ、あまり親しくない人
とうまくコミュニケーションが取れないことに悩んでいる。実際、友だちと
のちょっとした行き違いでひどく傷ついたりする。
保護者が学校選びするときには、どうしてもこうした視点は見落としがち
である。つい、偏差値や大学合格実績といった目に見える指標で選んでしま
う。
┏━━┓
┃が、┃わが子が学校で自分をころすことなく、ありのままの自分で振舞え
┗━━┛ること。このことはとても重要だ。友だち関係、先生との関係、こ
れが学校生活をミジメなものにも、楽しいものにもする。いい友だちに恵ま
れること、温かな先生に巡り会うこと、これが何より子どもの学校生活を豊
かにする。
先日出かけたある学校の説明会で、体育祭の映像が写された。「デカパン
競走」という種目であったが、大きなパンツに生徒2人、先生1人が入ってト
ラックを走る。3人ともがはじけるような笑顔。こんな学校だったら、生徒
はのびのび楽しく過ごせるのだろうなと感じた。後で聞いたのだが、この学
校、生徒会の役員選挙に、なんと40人が立候補したという。
学校選び。在校生が元気か、生徒同士、先生と生徒のコミュニケーション
を深めるために学校がどんな工夫をしているか、そう
したことに注目してはどうだろうか。 ,−−、
/ \
楽しく通える学校でなければ、勉強にも集中できず、 V・ ・V
学力が伸びるなんてこともありえないのだから。 ω人=♀=ノω
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(2006年12月10日配信)
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∩ 《連載/第23回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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先頃、とある学校の90周年記念建築竣工式に参加した安田先生は、そ
の歴史を物語る幾つかのセピア色の写真を目にされた。大正の初め、 まだ
荒地だった現在の校地を全校生徒で下見に行く姿。関東大震災直後、罹災者
のために1万枚以上の布団を縫った生徒たち。この学校では、生徒が主役の
伝統は昔からそうだったのだと納得したそうです。
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■ 付属校が動いている
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃も┃のすごい勢いで、付属校の「模様替え」が進んでいる。
┗━┛
2007年から法政大学中学(現・法政大学第一中学)が三鷹市に移転して共
学校になるのに続き、2008年には明治大学付属明治中学が調布市に移転して
共学校になる。共通しているのは、男子校が女子を受け入れるようになる点
だ。女子の門戸が大幅に広がる。
また、長い間高校募集をしてこなかった立教池袋、東京女学館が2007年入
試では少人数ではあるが募集を再開することも大きな様変わりといえる。
さらには2009年には早稲田大学高等学院が中学を開校、2010年には中央大
学附属高校が中等教育学校になることが予定されている。
┏━┓
┃こ┃うした施策は、将来優秀な女性を育てるとともに、大学の中核を担う
┗━┛人材を養成しようというわけである。
既存の付属校自体も、実践女子学園、昭和女子大附属が併設大学への権利
を保有しながら他大学を受験できるようにしたこ ,−−、
とで大人気。このところ付属校の中身は大きく変 / \
化している。進学校以上に付属校こそ最新事情を V・ ・V
集めて判断しないといけない時代になってきた。 ω人=♀=ノω
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(2006年11月10日配信)
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∩ 《連載/第22回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
首都圏模試センターの試験があった日、安田先生は受験に向かう何組も
の親子連れに電車で遭遇しました。車内で、子どもを座らせて母親が立って
いる“光景”を目にし「何も模試の日だからではない。普段でもまったく同
様では。いつ頃から逆さまになったのだろう?」と考えさせられたとか。
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■ 「奇跡」は起こらない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━━┓
┃「受┃験には逆転現象がよくある」「まぐれで受かる」「あのうちは強力
┗━━┛なコネがあったらしいわよ」「○○塾は××校に何人の枠を持って
いる」といったことを耳にすると、受験には何か「運」「ウラ」のようなも
のが付きまとっているように錯覚しがちだ。
実際、本番が迫ってくると、焦る気持ちから「どんな手を使ってでも、も
っとお金を使ってでも合格を手に入れたい」―そんな心境に陥るお母さんが
いる。
確かに、学校や塾での成績がそれほどでもなかった子が受かったり、「え
っ、あの子が!」という予想外の不合格があったり……ということは確かに
ある。が、受かる子は学校や塾では目立たなくてもコツコツ力をつけていた
のであり、落ちた子は実力があっても本番当日に力を発揮できなかったので
ある。
が、この逆はない。力がないのに受かることはないのだ。たとえ万が一受
かったとしても、「まぐれ」なら、入学後に「ついていけない」「落ちこぼ
れる」という悲劇が待っている。
┏━┓
┃親┃としては、「まぐれ」で受かることを期待してはいけない。ましてや
┗━┛裏技で合格を手に入れようなどと動いてはいけない。人生で最初の大
きな舞台で親の裏技に頼った子は、今後の人生においても肝心なときに親の
裏技を当てにするようになってしまう(子どもにわからないように動いても、
いつかはばれるものだ)。
本人は、小学校での自分の役割をキチンと果たしながら、ひたすら実力を
つけることだけを考える。親は、わが子に合った学校を探す。そして本番当
日わが子が自分の力をきちんと発揮できるように環境を整える。
あまりにも情報過多になり、右往左往している
お母さん方の姿を目にしていると、そんな素朴な
受験生活でいいように思うのだ。 ,−−、
/ \
「自分の力で正々堂々と戦う」―これこそが親が V・ ・V
教えられる最高の姿勢ではないだろうか。 ω人=♀=ノω
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(2006年10月10日配信)
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・‥…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥・
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∩ 《連載/第21回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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安田先生は10月11日にかえつ有明中学での講演を予定しています。テ−
マは「2007年中学入試の動向とあと3ヶ月の注意点」。最新の情報と、これ
からの心構えについて語ります。下記の案内を参照のうえお出かけください。
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■ 難関校合格者の家庭をのぞく
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃相┃変わらず、子育て、中学受験関連の特集を組む雑誌やムックの刊行が
┗━┛続いている。今の親世代は、子どもが生まれる前から「たまごクラブ」
「ひよこクラブ」などを参考に子育てしてきた世代なので、受験についても
こうしたものから情報やヒントを得ようという人が多くなっている。
こうした雑誌やムックの記事でいちばん読まれているのが、わが子を灘中
学や東大など難関校に合格させた家庭のルポ記事だという。家族のプロフィ
ール、当人の学習歴、親のサポート振り、家族の生活の様子などを記述した
ものである。
こうしたものを読むと、ほとんどの家庭が、親の学歴、年収ともに高く、
「頭がよくてお金もある家庭の子がやはり受かるのだ」という思いに駆られ
て、「わが家は到底無理だ」などと思ってしまう。がそうした「のぞき趣味」
の部分で納得してしまってはこうした記事を読む意味がないし、むしろ読ま
ないほうがいい。
┏━┓
┃こ┃うしたものから読み取って欲しいことは、わが子を難関校に合格させ
┗━┛た家庭は「当たり前のことを長期間持続してやり続けた家庭である」
ということ。これがどの家庭にも共通しているもっとも根幹的な要素だ。
規則正しい生活、健康を維持するための食事の工夫、テレビやゲームなど
の時間の短縮、家族の会話の充実、いろんな場に子どもを連れ出すなど、誰
にもできそうなことの積み重ねである。が、実際に徹底しようとすると、こ
れらは意外に難しいことである。この徹底振りに普通の家庭との差が出るの
である。
勉強は何も学校と塾だけでするものではない。こうした記事から「どんな
教材を使ったの?」「どこの塾に通ったの?」という情報を得る以上に、子
どもに地についた能力をつけるには、家庭での日
々の過ごし方が大きく影響するということを是非 ,−−、
読み取っていただきたい。こうした記事が、ご家 / \
庭での各人の生活の仕方を見直すきっかけになれ V・ ・V
ばいいのではないだろうか。 ω人=♀=ノω
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(2006年9月10日配信)
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