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つい最近TV で、職を失い、ネットカフェからも退去を求められた若者のドキュメンタ
リー番組を見た。スマホで仕事探しをしたところ、振り込め詐欺の受け子にされたとい
う話である。
そんな時に、移転のために大量の新聞・雑誌・書籍・ペーパーを整理している最中に
新聞の切り抜きが見つかった。心に残ったので、切り抜いておいたものである。横浜雙
葉の新聞。日付は2009年3月。新聞部の部長が社説ならぬ「部説」として書いたものだ。
リーマンショックによるリストラで解雇された人たちが、生きるために振り込め詐欺
に加担していることについて触れた後、こんな風に語っている。
「だれもが困難な状況にある時、自分のことで精一杯な時、他者を思いやることは難し
い。しかしそうした時こそ、その人の人間性が現れるのかもしれない。
ワークシェアリングという言葉を耳にする。仕事を分かち合うことだ。仕事を分かち
合えば当然給与も減る。しかし、だれかが生き残って、だれかが首を切られるのではな
く、皆で仕事も給与も分かち合う。
本日卒業なさる先輩方も、私たちも、喜びや痛みをシェアできる社会の担い手となっ
ていきたい。」
コロナ後の世界は、間違いなく今より数段生きるのが難しい社会になるだろう。他者
を蹴落としてでも生き延びる人間を作るか、分かち合える人間を作るか、学校のスタン
スが問われるように思う。
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