教育天声人語
外は大きく変わっている!

  海外大学フェア「Kanto Plain College Fair 2018」が広尾学園を会場として開催されるというの
 で、のぞきに行った。関東圏のインターナショナルスクールの生徒が対象のフェアで、広尾学園
 からはインターナショナルコースの生徒を中心に希望者が参加。
  早めに行き、控室となっているカフェテリアで出入りするインターの生徒を観察。欧米系が多
 い学校、アジア系が多い学校、中国人が多い学校、日本人が多い学校……インターによってずい
 ぶん違う。インターでも、制服、制カバンがあることを知った。トータルで参加者は1700名。若
 い熱気がうずまく。知り合いの私学の先生が二人いたが、「空港にいるようなにおいがする」と外
 国から戻ったばかりの先生が思わず漏らすほど。
  海外から163大学が参加。アメリカが105大学と多いが、ヨーロッパも23大学、アジアが8大学
 その他カナダ、オセアニアと実に多彩であった。会場となっているアリーナでは、大勢が詰めか
 ける人気大学のブースもあれば、人がいないブースも……。中高受験の合同相談会同様の光景が
 見られた。
  驚いたのは、国内の19大学が参加していたこと。それも、筑波大学、名古屋大学、岡山大学、
 広島大学、九州大学と国立が9大学もあった。ネイティブ教員を派遣してきた大学もある。今や
 国立もインターの生徒を欲しがっているのである。私立は早稲田、慶応、上智、ICU、同志社、
 立命館など。海外大学を受けるにしても多くは国内の大学も受験するから、こちらの会場も押し
 合いへし合いの混雑状況。奥のブースには進めなかった。この光景を目にしたもう一人の私学の
 先生が「インターの子たちにうちの子は押し出されてしまう!」と悲鳴を上げた。
  いま教育の世界もいろんなところで激変が起きている。多くの先生が自分自身の皮膚でそれを
 感じることが必要に思う。

「ビジョナリー」2018年10月号掲載     |もくじ前に戻る次に進む

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