何年前だったか記憶が定かではないのだが、はじめてこの学校の説明会に出向いたときの印象は今でも鮮明である。まだ世間から注目されていず、参加者もごく少ないこじんまりした会であった。当時は私自身もほとんどこの学校について知らなかった。
　が、受付から帰るまで、対応の一つ一つに心がこもっていた。校長の話も、保護者の話も、学校の実情を飾らずに語り、当たり前と思えることをきちんとやっているという話に終始した。温かく、心に届いた。
　乙女坂を石川町の駅に向かいながら、「この学校はすごくなる」、そんなことを思った。
　1989年の応募者数合計は56名。2006年はこれが1814名。私が当時抱いた印象は「現実」となった。


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