三輪田学園中学校・高等学校 東京都 女子校

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 最初に前校長から、退任の挨拶を兼ねて新任の校長紹介があり、新校長からは「ご挨 拶と学校説明」がありました。

  • 三輪田学園は世界中に2万人の卒業生がいる。私も三輪田の卒業生である。大学を出てから三輪田に戻り、教員をしてきた。どんな学校か……生徒の目から、そして教員の目から体感してきた三輪田をお話したい。
     本校は、学力だけでなく人間的な発達もはかっている。中学から道徳の時間があり、生き方を考えさせる。大学の先まで、どのような生き方をしたいのかを考えさせる。生き方を考えさせる方法の1つに、「読書」を重視している。
  • 三輪田の特色は3つある。まず1つ。女子校だから、体を使った仕事、たとえば文化祭準備ではペンキ塗りをすることから企画・実行まで全てをやる。ある意味、「女子校力」がつく。男性に頼らずにやっていく力を育てる学校である。人間として総合的な力を育てている。
  • 2つ目の特色は、人間的な触れ合い。1学年170名ぐらいの規模で毎年クラス替えがあるから、中3や高1ぐらいになると全員の名前と顔が一致するようになる。これは、6年間生徒として過ごして感じたことだ。一生ものの友だちができる。同時に、コミュニケーション能力も伸ばしていたと思う。
     先生との触れ合いも濃い。たとえば私は高2の担任から影響を受けた。担任は英語での平和教育をモットーにしていた先生だった。英語で考えようといって英語教材を選び、平和や、命、環境問題等についてアプローチしてくれた。今も教材が三輪田に根付いている。生徒たちのモデルに先生がなっているのは今も変わらない。
     クラブ活動は中高一緒に行う。上級生と下級生のコミュニケーションが促進され、密な人間関係ができる。人が人を信頼する基礎ができる。
  • 3つ目の特色は学力面にある。6年一貫教育は、「ゆるやかに、しなやかに」の方針で生徒を最大限に伸ばすカリキュラムである。「やるべきときに、やるべきことを」しっかり学ぶカリキュラムである。その“三輪田イズム”は変わっていない。「学んだことの全てが生きていく力になる」ことを考えて学力をつけている。
     三輪田の教科カリキュラムの特色となっているものに、冒頭にも触れた「読書教育」がある。中1と中3では、毎週1 時間の「読書の時間」がある。図書館で行うが、中1は文学から、中3は5つのブロック「思春期の心理・人間の生き方」「戦争・原爆・核問題」「公害・自然環境問題」「人権・民主主義・近代思想」「国際協力・ボランティア・福祉」から読みたい本を選び、1年かけて中学卒業論文を書く。ある中3の生徒は、いじめに関する本を読んでびっくり。そこで、母校の小学校にお願いしてアンケート調査をさせてもらい、卒論にまとめていた。その生徒は「この経験が心に残った」という。「読書」はその人の一生を左右するキッカケにもなる。
     三輪田には、先生が宿題を出すのは当たり前、生徒は宿題をやってくるのが当たり前の雰囲気がある。やるべきことをきちんとやる風潮がある。
  • 保護者とも連携している。保護者と家庭教育について自由に話し合う場「教育サロン」がある。5月の第1回サロンでは、90名の参加があった。生徒の伸長には、「生徒本人の自覚と、教師の働きかけと、家庭のありかた」がそれぞれ3分の1ずつ責任があることを理解していただいた。
  • 三輪田生の進路だが、医・歯・薬・獣、看護・リハビリの分野が増えてきている。大学を人生の通過点ととらえる生徒が増えてきたのかなと思う。
  • どんな学校にしたいかと聞かれる。私は、たとえるなら、サケが遡上して戻ってくるような学校にしたいと思う。派手でなく、地味で堅実な学校にしたい。卒業生がサンプルである。

 次に、「入試問題作成担当による報告」が、国語科と数学科の先生からありました。入試問題とは別に、印象に残ったことがあります。

  • 本校は読書に力を入れている。中2では「読書万歩計」を取り入れ、1年間で1万ページを読もうと生徒に話している。達成者が何人もいる。読書好きの生徒に来てほしい。

私の感想

 三輪田学園は読書教育にいちばんの特色があるように思います。説明会終了後、校舎見学に参加したのですが、図書館には空き時間を自習にあてている高3生が何人もいました。図書館は、読書や自習がしやすいように机が配置がされていて、気軽に生徒が利用できるのがいいです。
 校長の挨拶のまとめで、学習習慣の定着について話がありました。「生徒が自分で立てた学習計画表を→担任がチェックして返却→実行→生徒が反省を記録→小テストの勉強などに活かす」というものです。このようにPDCAサイクル(PLAN→DO→CHECK→ACT)ができている生徒が多いとは感心しました。

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