城北中学・高等学校 東京都 男子校

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 会場に入ると、音楽が流れ、学校生活の映像が流れていました。そこには、さまざまな青春群像が……。自分の高校時代と重ねながら男子校もまたいいもんだ、と思っていたら説明会が始まりました。

 はじめに「城北教育の役割」と題して、学校長の挨拶がありました。

  • 昨年8月ごろ、ある週刊誌で、430塾長アンケートの結果、中学・高校の中で勧めたい学校の1番目に城北が上がっていた。これからも生徒を大切に育てていきたい。
  • 新入生を迎えた年度初めの行事に、中1生・高1生の「大町オリエンテーション」がある。城北に入ると、長野県大町市にある本校の大町山荘で合宿して、基本的態度や精神を学ぶ。そのとき、入学して1か月足らずの中1生に、「入学してよかったか」の満足度を聞いた。本校が第2 志望、第3 志望の生徒もいるが、7 割の生徒は非常に満足、3 割の生徒はだいたい満足……の結果を得た。聞いたのは他にも「6年間でいちばん取り組みたいこと」「学校に期待したいこと」などいくつかあるが、「大切にしていること」では、(1)家族、(2)自分の命・友だち、(3)お金、(4)プライド、(5)自分の持ち物だった。これらを参考に、これから生徒の不安や期待に応えていきたい。
  • 学校改革は、「入り口」「中身」「出口」が互いに緊密に結びついて効果を発揮すべきものと考えている。入り口である中学入試は2月1日・2日・4日の3回行うが、2月1日に参入して9年目になる。高3生は3期生になる。出口の大学入試では、今年度も東大・京大・東工大・一橋大・早稲田・慶應……に例年同様多数の合格者が出た。
  • 中入生に対して、高入生の新しい風を入れて活性化させたい。したがって高入生の募集停止は考えていないが、現行の検証はしていく。
  • 本校は昭和16年に、明治期の城北中学校を再興するため創立。以来、「質実厳正」を理念に、「人間形成と大学進学」を教育目標に掲げてきた。子どもたちは学校という社会の中でさまざまな経験をしていく。達成感を経験させながら心を育てていきたい。最終目標は人を育てることである。

 続いて、各教科の主任から「各教科の出題の基本的な考え方」について説明があり、次に進学指導部長より「大学入試結果と進学指導の取り組み」の説明がありました。

  • 今年、難関4大学(東大・京大・東工大・一橋大)に40名の合格者を出した。東大は15名で、うち現役合格者は2ケタに戻った。今年首都圏の進学校は厳しい結果が出ているが、本校は伸ばせて安堵している。注目しているのは京大である。6名の合格は過去にはなかったこと。私立では、早稲田に145名、慶應に93名で、早慶合わせて238名は2004年度に次ぐ合格者数であった。国公立大の医学部には14名合格。私立大医学部にも43名合格。医学部を目ざす生徒は多い。
  • 本校の進路指導の取り組みは、生徒の成長段階に応じて、3期に分けて指導している。中1・中2では基礎力の定着をはかる。中3・高1では学力差が生じるので選抜クラスをつくって上位者を伸ばす一方、学力のケアをはかる。高2からは文系・理系に分かれ、高3からはさらにコース別に分かれていく。高2からの選択を誤ると大変なことになるので、高1の時に「進路適性検査」を行って誤らないようにしている。
  • 高3生には、夏に大町の山荘で「9泊10日の学習室」を開く。集中した学習で成果を上げる。高3の3学期には「特別講座」を実施し、最後まで努力を続ける。

 最後に、教頭から話がありました。

  • 校風は「着実」「勤勉」「自主」の3つだが、本校について私はこう考えている。(1)広いキャンパス、(2)人間力、(3)きずな、である。「広いキャンパス」は駆け抜ける青春であり、緑豊かで、施設が充実している。のびのびとした環境の中で教育が展開する。「人間力」とは、多彩な行事や文武両道で人間力が高まる。今年、東大・京大に現役合格した生徒のほとんどは運動部の生徒である。本校は「きずな」を大切にしている。生徒と教師、保護者と教師、卒業生と教師のきずなは太い。
     さらに、本校の生徒は、無遅刻・無欠席・無早退が多い。卒業式に「6ヵ年皆勤賞」を渡すが、今年は66名いた。中入生の4人に1人が皆勤賞である。広いキャンパスでゆったり学び、人間力を養い、希望を育みながら学んだ生徒がたくさんいたということでだ。

私の感想

 城北は、大町山荘が効果的な役割を果たしているようです。入学してすぐのオリエンテーションで、夏休みには受験生の学習室となって、また、クラブ合宿場として、フルに利用されています。大町山荘は城北生の成長を育む「もう1つの教室」なのでしょう。
 パンフレットを見ていたら、生徒の声が載っていました。「城北学園は努力家が多い学校。努力して実力を伸ばそうというさわやかな雰囲気がある」です。生徒の“自主性”があってこそ、すぐれた大学合格実績をつくり上げているのだと思います。

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