安田の目
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■ Mail Magazine《学研/首都圏中学受験ニュース》連載
『中学受験 虎の穴』第1回〜20回
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∩ 《連載/第20回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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安田先生は、短い夏休みを利用して古都・奈良の散策に出かけられまし
た。古い文化にふれることが、精神的な保養につながっておられるのかもし
れません。それにしても、盛夏の奈良盆地は本当に暑かったそうです。
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■ 受験は親が主役?
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┃こ┃のところの合同説明会の様子を観察していると、親が先を歩いて子ど
┗━┛もは親の後ろをくっついて歩いているというケースが実に多い。パン
フレットを集めるのも、親が一生懸命なわりには子どもは知らん振り。相談
ブースに座るのも親のほうが積極的で、先生に問い掛けるのももっぱら親。
子どもだって知りたいことがあるだろうに、子どもに質問させるのではな
く、親が聞いてしまう。先生からの問い掛けにも親のほうが答えてしまう。
街の書店の学参売り場を眺めていても、学校案内や問題集を手に取るのは
たいがい親のほう。子どもは他人事のよう。親が勧めても子どもはやる気が
ないから、首を横に振るだけ。結局何も買わないで立ち去るということが多
い。
┏━┓
┃中┃学受験は子どもが幼いから親がリードしなければならないという。が、
┗━┛最後に伸びる子は、受験を自分自身の問題、自分自身の責任と意識し
た子なのだ。早いうちに、「受験するのは親ではなく自分なのだ」という自
覚を持たせることが肝心である。
そのためにも、親が何でも先に手を出すことを止めてはどうだろう。「今
の成績ではどこにも受からないわよ」「○○学園のほうがいいんじゃない?」
「△△の『過去問』買ってきたわよ」「××の学校説明会に行ったら」……
とつい言いたくなる。受験は時間に限りがあるだけに焦りの気持ちがどうし
ても言わせてしまう。じっと我慢するのは辛い。
が、今我慢しないで指図してしまうと、子どもはいつまでたっても自分の
こととは捉えられないだろう。日々の具体的なことから
自分でさせるしか、自覚は生まれないのだ。 ,−−、
/ \
手を出さず、極力子どもにやらせる、子どもの意見を V・ ・V
聞くようにしたいものだ。 ω人=♀=ノω
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(2006年8月10日配信)
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∩ 《連載/第19回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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先月、安田先生は自宅の庭の梅の木に登って実を収穫。ところが、尖っ
た枝に阻まれて悪戦苦闘。途中で投げ出し木を降りようとしたら、「『地味
なことを継続することが大切』と、いつも原稿に書いているではないですか」
と奥さんに言われて、降りられなかったとのことです。
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■ 応募者の多い学校がいい学校か
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┃前┃年より応募者が増えた学校、減った学校ということがよく記事になる。
┗━┛応募者が増えるということは何かしらの理由があり、決して悪いこと
ではない。
ただ最近気になるのは、新設校、共学化、移転、新校舎、コース制度導入
……といったことで、記事に校名が載ったり、講演で校名が話に出たりした
ところに、なだれをうつように集まってしまうという現象だ。
そこには「わが子にとってふさわしいか」、「自分に合っているか」とい
う視点がなく、大勢の人がいいと言うところに素直に詰め掛けてしまうメン
タリティーが感じられる。ものすごい数の学校を訪問し、あれだけ観察して
いながら、そのことはあまり生かさず、結局は話題になったところを選んで
しまう。「せっかく観察したのだから、もっと自分の目を信じたらどうなの」
とつい言いたくなる。
┏━┓
┃ま┃た、応募者総数自体も、入試回数を増やす、1回の受験料で何回も出
┗━┛願できるようにする、「午後入試」を導入する、面接をやめる……と
いったことで単純に増加したりする。
つまり応募者総数というものは、学校の中身そのものには関係のないとこ
ろでかなり増加するものだ。
一方で、前年より減少しているところにしても、大学合格実績がダウンし
たというケースは別として、学校の中身自体が悪くなっているということは
まずないのである。
要するに、応募者数の増減で学校の評価を下す根拠はあまりないと考えた
ほうがいい。みなが詰め掛けるからいいのだろうと判断するのでなく、「わ
が子(自分)にあった学校」を探すという姿勢を
もっと持っていただきたい。
,−−、
入学後に「ミスマッチだった」というケースが / \
年々増えているだけに、もっと自分の視点を大切 V・ ・V
にし、自信を持っていただきたい。 ω人=♀=ノω
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(2006年7月10日配信)
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∩ 《連載/第18回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
最近、合同学校説明会などでの講演依頼を受けることの多くなった安田
先生ですが、前日には、わざと関係のないジャンルの本を読むのだそうです。
さて今月は、6月12日(月)に『私触会』で講演されます。詳細は下記の案内
をご覧ください。
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■ ハード面で選ばないことが大切
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┃最┃近は、学校選択でも、子どもの意思を尊重するというご家庭が多くな
┗━┛っている。入学後の勉学意欲、生活の張りなどを考えると、本人が一
番行きたい学校に進むことがベストなことは確かだ。
だが、子どもはどうしても「校舎が新しくてきれい」とか、「制服がオシ
ャレで素敵」とか、「文化祭で先輩から親切にされた」とかいったことで志
望したりしがちである。
学校は、先生からも、友だちからも、いい刺激を受けるところに意味があ
る。卒業後も何かと縁があるもの。ついハード面に目が行きがちだが、どん
な先生がいるのか、在校生はどんな人たちなのか、よく観察したい。子ども
を文化祭に連れて行く場合も、親のフィルターを通して、ここなら進ませて
もいいというところにだけ連れて行くようにするといいだろう。
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┃私┃学には、「建学の精神」というものが、「歴史・校風」がある。創立
┗━┛者が学校を設立したときの熱い思いが脈々と受け継がれている学校も
多い。「もっと英語の時間を増やして」という保護者からの強い要望があっ
ても「園芸」の授業をかたくなに維持しつづけている学校、社会に貢献でき
る人を育てるということで全員がボランティア活動する機会を設けている学
校……。
学校案内も、校舎の写真、制服を見るだけでなく、普通教科以外にどんな
授業が設けられているのか、他校と違う行事にはどんなものがあるのか、文
章をよく読んでいけば、「その学校が大切にしているもの」がわかるはずだ。
そしてこうした部分にこそ、他校ではなくその学校を選ぶ意味があると思
う。きちんと観察すれば、学校はそれぞれにさまざ
まな個性をもっている。 ,−−、
/ \
是非、お子さんの将来につながる学校選びをして V・ ・V
ほしい。 ω人=♀=ノω
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(2006年6月10日配信)
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∩ 《連載/第17回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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来年受験に向けて、合同学校説明会が各地で始まりました。安田先生は、
5月16日(火)に「横須賀・三浦地区 私立中学フェスタ」にパネラーとして
出席されます。詳細は下記の案内をご覧ください。
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■ 父親参加のプラス、マイナス
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┃学┃校説明会、各種講演会の場に参加する父親の人数が年々多くなってき
┗━┛た。説明会を数多くやる学校の中には、父親の参加を意識して、金曜
の夜に開く学校も出てきたほどである。
大卒者の就職難、フリーターやニートの増加などをマスコミが盛んに報じ
ていることで、わが子の行く末を心配する父親が多くなっていることが、こ
うした背景にあるのだろう。ビジネス誌がしばしば「受験」や「わが子の学
校選び」を特集していることも後押ししていると思われる。
父親が参加することでいいところは、母親がともすれば目先の成績の上昇
下降に一喜一憂して子どもを責めがちなときに、一呼吸おいて「今度がんば
れよ」と、母親のしつこい追及から子どもを解放してやれる点だ。
だから、母親と同じように子どもを追い込むのであれば、むしろ参加しな
いほうがいい。学校選択にしても、女性の感じ方とは違った視点で眺め、別
の側面を発見できるという長所がある。つまり、母親とは別の参加の仕方が
出来てはじめて参加する意味があるということである。
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┃父┃親が参加するようになって生まれた変化というものもある。父親はと
┗━┛もすれば、仕事上の調査・分析的な手法を受験の世界にも持ち込む。
学校ごとの各教科の配点比率、頻出出題分野の重なり具合等のデータから受
験校を決めたがる。
えてして、一番重要なわが子の気持ち(モチベーション)を無視しがちに
なる。また、年々願書提出時期が遅くなっているのは、父親がネット上で各
校の出願状況をチェックし、少しでも競争率の低いところに出願しようとす
るためである。
要するに、父親の強みである点が、逆に「策に溺
れる」ということにつながっているきらいがある。 ,−−、
/ \
このような長所・短所をよく理解した上で参加し V・ ・V
て欲しいものである。 ω人=♀=ノω
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(2006年5月10日配信)
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∩ 《連載/第16回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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3月から4月にかけて、学校・塾での講演、学研・声の教育社・「朝日
小学生新聞」・「朝日合格メール」・「進学レーダー」などの原稿、朝日新
聞・「サンデー毎日」などの取材、「合格アプローチ」の座談会など大忙し
だった安田先生。この4月8日にもある私学の入学式で、新入生・保護者に
向けてお話されたばかりとか。
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■ 「あきらめない」が成功の秘訣
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┃人┃生で成功した人たちを見ていると、一つのことにこだわりを持って、
┗━┛コツコツ努力し続けた人が多いことに気づく。が、受験においてこの
ところ気になるのは、途中で受験そのものをやめてしまう、早い段階で安易
に手を打ってしまう家庭が多いことだ。
中学受験において、4年くらいから塾通いしていると、6年の今頃である
程度受かりそうな学校がわかってくる。そうすると、その程度のレベルのと
ころだったら中学から入る必要がないと受験をやめさせてしまう。あるいは、
7月ごろから模試を受けてきて、とても希望の学校に受かりそうもないとわ
かると、それなら受験する意味がないと12月で受験から撤退してしまう。
本人も受験にそれほど執着がなく、あっさり同意してしまう。
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┃私┃が心配するのは、人生で最初の挑戦の機会ともいうべき中学受験にお
┗━┛いて、最後まで努力を続けることなく、「途中でやめた」という経験
をしていいものだろうか、ということである。
これから大人になっていく過程では、すぐには結果が出ない地味な努力を
コツコツと続けなければならないことがいくらでもある。そうしたときに、
がんばり続けることができなくなるのではないかと心配するのだ。
受験することで得られる財産のひとつは、結果はどうあれ、最後まで目標
に向かって努力し続けたという体験だと思う(この
年代では受験以外に目標に向かって長いこと努力を ,−−、
続けるという経験を持ちにくい)。受験を財産とす / \
るためにも、是非「途中でやめた」がない受験をし V・ ・V
ていただきたい。 ω人=♀=ノω
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(2006年4月10日配信)
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∩ 《連載/第15回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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ことし最初の安田研セミナーが開かれました。テーマは『偏差値50以
下の入試』。さまざまな学校の浮沈が言われるなか、ことしの入試データを
もとにした解説に、詰めかけた満員の先生方はおおいに頷かれていました。
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■ 子に代わって「言い訳」しない
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┃荒┃川選手が最後に金メダルを取ってくれたが、それまでのトリノでの日
┗━┛本選手団の不振は目を覆うばかりだった。「採点方法が変わった」
「世界選手権で優勝できたのはアメリカの有力な選手が出ていなかったため
で、オリンピックにはそうした選手が出てきていた」「レースの間が空きす
ぎた」「靴が、板が合わなかった」「前々から体調を崩していた」……大会
前には報道されなかった敗因理由が次々に書きたてられた。
そんな記事を目にしていると、試験後に母親たちが訴えてくる「不合格理
由」が重なってくる。「不得意な分野ばかり出た」「試験会場が寒くてトイ
レに行かざるをえなかった」「A社の偏差値を信じて安全と思って受けたら、
B社ではもっと難しい位置づけになっていた」「隣の子の咳がひどくて集中
できなかった」…………。際限がなく理由があがる。
でも考えてみれば、世の中はなんの障害もない無風の温室であるわけがな
い。想定外のことが起こるのが常だ。いまさら偏差値表のせい、よその子の
せいにしてもはじまらない。想定外のことを極力少なくしておくのも親とし
ての責任だったろう。
┏━┓
┃親┃がこんな調子で不合格の「言い訳」を外に求めていたら、子どもは自
┗━┛分の力のせいとは考えなくなる。現実の厳しさを自分のものとして受
け止めることができなくなる。
「全滅」「第一志望には受からなかった」……そうした事実を他でもない自
分の問題と受け止めさせたい。そうしないと、これからの人生でいくらでも
直面する障害、トラブルでガタつかない強さ、乗り越える力は身につけられ
ない。
わが子が「たくましく」なるにはどうしたらいいか、そう考えれば、子ど
もをかばうような言辞ではまずいこと、むしろ辛い思いに直面させることが
必要なことに気づくはずだ。
そして親自身が「たくましく」なることが必要だ。 ,−−、
/ \
そうしないと、お子さんはこれからの人生で、「メ V・ ・V
ダルを取る」ことは難しいに違いない。 ω人=♀=ノω
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(2006年3月10日配信)
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∩ 《連載/第14回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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悲喜こもごもの結果が飛び交って、ことしの首都圏中学入試もほぼ終了
しました。そんななか、安田先生に寄せられたひとりのお母さんの発言から、
十代での受験の持つ意味などについて考えさせられたそうです。
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■ 「偏差値」を忘れよう
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┃ほ┃とんどのご家庭が、長かった受験生活が終わりのんびりされているこ
┗━┛とと思います。
めでたく第一志望校に合格できたお子さんもいれば、第二、第三志望の学
校だったけど満足しているお子さんもいれば、なかには入試が始まるまえに
は考えてもいなかった学校でようやく合格をつかめたというお子さんもいる
ことと思います。
一方、長期間塾通いして準備してきたにもかかわらず、思いがけず「全滅」
という残酷な目に遭ってしまったというケースも少なくないでしょう。
つい最近こんなことがありました。合格しているのですが、「偏差値が低
いところだから、高校で再挑戦させる」とお母さんが言うのです。今日まで
厳しい受験生活を過ごしてきて、中学に入ってまたすぐ塾通いという生活で
いいのでしょうか。
「十代で受験は2回」−私はそう考えています。中学受験したら、あとは大
学受験です。3年ごとに受験するような生活を送ることは、本人にとって決
してプラスにはなりません。
長い人生を支えてくれる「好きなこと」「得意なこと」「かけがえのない
友人」……そうしたものを得る時間が少なくなってしまうからです。
┏━┓
┃偏┃差値が低いところでもいいではないですか。今は、そうした学校でも
┗━┛先生は一生懸命に頑張っています。生徒一人ひとりに親身になって接
してくれます。
親戚や近所だって、こちらが気にするほど関心は持たないものです。関心
を示したとしても、4月第一週までの話。
本人が明るく楽しそうにしていれば、「よく知らないけど、いい学校なん
だ」と思ってくれます。お母さんも卑屈にならず、「思いがけずとってもい
い学校でした」と吹聴しましょう。お子さんが自分が通う学校に誇りを持て
るかどうかは、実はご家庭がその学校をどうとらえ
ているかが大きいのです。 ,−−、
/ \
せっかく通う貴重な6年間。是非胸を張って通え V・ ・V
る6年間にしてあげてください。 ω人=♀=ノω
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(2006年2月10日配信)
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∩ 《連載/第13回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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安田先生が主宰する、安田教育研究所のホームページが稼動を始めまし
た。教育情報誌発行・執筆・講演・セミナー・・・など幅広い活動の様子が
伝わってきます。下記アドレスより、いちど覗いてみてはいかがでしょうか。
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■ 身を助けるのはオタク部分
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┃昨┃年の忘年会の席上、ある先生が「昔と比べると、何かにものすごく打
┗━┛ち込むタイプの生徒が減っている。」ともらした。すると、脇にいた
別の学校の先生が「確かに、いい意味でのオタクがいなくなって、みんな似
たようなバランスのとれた生徒ばかりになってしまった。」と相槌を打った。
「オタク」というと、最近はアキハバラ的な(昨年ヒットした「電車男」に
象徴されるような)青年を思い浮かべるかもしれないが、一方で、ある分野
で秀でた業績をあげた学者の少年時代などを見ていると、みなそれぞれに好
きなことに没頭した時期を経てきている。
こうした第一線の人々でなくてもいい。ごく普通の人間が、たとえば海外
生活を送ったとき、あるいは新しい組織・集団に入っていったとき、そこで
の人間関係作りを支えてくれるものは、得意であるスポーツであったり、日
本の伝統的なお稽古事であったり、長いこと続けてきた趣味であったり、好
きなことについての詳しい知識であったりする。
┏━┓
┃受┃験が間近に迫ったりすると、つい続けていたお稽古事を中断させたり、
┗━┛趣味に一生懸命になっていることに嫌悪感を示したり、机に向かって
いることを最重要視したり、しがちだ。
入学した後も、部活はほどほどにして、塾や予備校に行くように後押しし
たりしがちである。
が、これから先、わが子の人生を支えてくれるのは、どんな分野であって
てもいいから、人より大きく優れているものがある
ことが多い。今、わが子が夢中になっていることが ,−−、
あったら、それをよしとして、ブレーキをかけない / \
でおきたい。 V・ ・V
ω人=♀=ノω
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(2006年1月10日配信)
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∩ 《連載/第12回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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11月下旬、安田先生は仕事の合間をぬって道志村(山梨県)に紅葉見物に
に行かれた。見頃を迎えた山々の紅葉を眺め、小川のせせらぎを聞きながら、
おそばに舌づつみ。しばし世間の喧騒を逃れた時間を過ごされたとか。さて
今回は、わが子の学校選択において持って欲しい視点について・・。
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■ 学校はレストランとは違う
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┃仕┃事柄、模試の志望状況をチェックしている。そうすると、今春の大学
┗━┛合格実績がよかったところ、新校舎になった(なる)ところ、共学校
になった(共学化する)ところが多くの志望者を集めている。要するに、変
化があることによって、報道されている学校に詰め掛けているわけである。
出版される本が多すぎて、自分で何を読んだらいいかわからない、ベスト
セラーになっているものなら間違いはないか、と購入する状況に似ている。
自分が読む本なのに、自分で選択できないから、「売れている」という物差
しで選んでいるのである。
学校も、わが子が通う学校なのに、大勢が選んでいるところは「間違いは
ない」と思って選んでいる。が、一般論としていい学校と、わが子にとって
いい学校とは必ずしも一致しない。もっと「わが子にとって」という視点で
学校選びをした方がいいのではないかと、いつも思う。
┏━┓
┃そ┃れには、「わが子をどのように育てたいのか」「どのような人間にな
┗━┛って欲しいのか」ということをきちんと考える必要がある。そうした
上で、それにはどの学校がふさわしいのか、という選択をして欲しい。自分
なりの物差しを持てば、自分自身の目にもっと自信を持てるはずだ。
また、集まっていない学校が「質」が悪くなっているわけではない。大き
な変化がないだけで、むしろ堅実に歩んでいたりする。それに受験テクニッ
ク的に言っても、大勢の裏をかいて受験する方が、実力以上の学校に合格で
きる可能性が大いにある。
,−−、
レストランは大勢並んでいるところの方が確実に / \
おいしいかもしれないが、学校はレストランとは違 V・ ・V
うのだ。 ω人=♀=ノω
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(2005年12月10日配信)
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∩ 《連載/第11回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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安田先生のお気に入りのテレビ番組は「田舎に泊まろう!」とのこと。
タレントさんが田舎町にふらりと出掛け、アポなしでそこの民家に泊めて
もらうというもの。まだ残る田舎の人情に触れられるところが魅力とか。
さて中学受験もいよいよ終盤戦。そこで起こりがちな問題について・・。
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■ 本気にならない子どもたち
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┃さ┃すがに11月ともなると、どこの親御さんもなんとなく不安に駆られる。
┗━┛「こんな調子で大丈夫なのだろうか?」、「勉強が足りないのではな
いだろうか?」、「もしかしたらうちの子はどこにも受からないのではない
だろうか?」……いろんな心配・不安が心をよぎる。
お母さんから相談を受ける内容も、この時期になっても本人は一向に「本
気にならない」、「目の色が変わらない」というものが実に多い。親は焦る
気持ちからしょっちゅう小言を言ってしまう。中学受験だと、「もういい。
受験は止めましょう」、「あなたなんかどこにも受からないわよ」……そん
なことまで口走ってしまったりする。
┏━┓
┃が┃、これが悪循環の始まり。
┗━┛
頻繁に小言を言えば言うほど、子どもの気持ちは前向きにならなくなる。
また、いろんなことをすべて親が仕切っていると、子どもは逆にどんどん引
いてしまう。自分の受験と感じなくなる。
心配。焦る。イライラする。が、ここはひとつじっとガマンして、突き放
してみてはどうだろう。親が知らんふりした方が、子どもは逆に心配になる。
まともな子ならさすがにここで、見捨てられたのかと不安に感じ出すはずだ。
しんどいことだが、一度ここで思い切ってこうした手を打ってみてはどう
だろうか。不安から、すぐ個別指導塾に入れたり、家庭教師を頼んだりとい
うアクションを起こすお母さんがよくいるが、本人
が自覚しないことにはお金の無駄遣いになる。 ,−−、
/ \
本人が一向に目覚めない場合には、ここらあたり V・ ・V
でショック療法を試してみたい。 ω人=♀=ノω
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(2005年11月10日配信)
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∩ 《連載/第10回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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先日「首都圏中学入試模試センター」の創立15周年記念祝賀会があり、
安田先生も出席された由。実は、先生がこのジャンルにかかわりだしたのは
この創立の少し前で、創立の会にも出席された記憶がおありだとか。歳月の
経つのは速いものだと、つくづく実感されたそうです。さて、今月13日に、
安田先生の一般向けの講演があります。記事下のお知らせをご覧ください。
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■ 学校案内でわかる教育への姿勢
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┃月┃に1回くらいのペースで、ある週刊誌に300字ほどの学校紹介を書いて
┗━┛いる。字数がないから、全般にわたって書くわけにはいかない。何に
ついて書くか、学校案内に目を通しながら考える。そうしたことを繰り返す
うちに気づいたことがある。
学校案内を「物理的に」見ているわけではないということだ。自分が共感
するフレーズを探しているということは、自己の「価値観が」見ているわけ
である。
たくさんの学校案内を見続けていると、2002年以降「公立よりいかに授業
時間が多いか」「大学合格実績がどれだけ伸びているか」「長期休業期間に
もどれだけ講習をやっているか」……そうしたことを強調するものが多くな
っていることに気づく。いつのまにか、業績を報告する企業の『営業報告書』
のような、学校ごとの個性を感じさせないものが多くなっている。
┏━┓
┃そ┃うした中で、「私たちはこうしたことを大切に考えている」「こうし
┗━┛た人になって欲しいからこういう教育を行っている」……といった学
校の思いが表れた学校案内にぶつかると、これこそが教育だと感じる。
各科の授業時間数、難関大学の合格者数、使用教材をチェックするのもい
い。がそれ以上に、ご家庭として、その学校の教育姿勢に共感できるかどう
かが大事なのではないだろうか。パラパラ眺めるのではなく、文章をきちん
と読んでいけば、「精神のある」、「生徒のことをきちんと見ている」学校
は必ず見つかるはずだ。広告代理店任せで、学校としての教育への思い・姿
勢が、案内に表現されていないような学校は、パス
したい。 ,−−、
/ \
それともお宅は、「中学・高校はあくまで通過点 V・ ・V
で、大学に合格させてくれればいい」と考えている ω人=♀=ノω
のだろうか。
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(2005年10月10日配信)
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∩ 《連載/第9回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
9月が始まり、残暑の中にも秋の気配が感じられるようになってきました。
夏の終わり、安田先生もつかの間の休みをお取りになり、彦根、近江八幡な
ど琵琶湖湖畔の街を散策されたそうです。「趣のある古い街中を歩くと、空
気がゆったり流れているのでほっとします」とのこと。さて、今月15日に、
安田先生の一般向けの講演があります。記事下のお知らせをご覧ください。
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■ 最近の学校は社会を反映している
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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┃昔┃、大学の学部名といえば、法・文・理・工・農・医……と、伝統的な
┗━┛学部は多くが1字だった。それが総合政策・環境情報・国際教養……
と、4字になり、最近作られる大学の学部名は情報コミュニケーション・コ
ミュニティ福祉・ネットワーク情報……と、やたら長くなっている。長くな
る一方で、実学(即社会に役立つ学問)志向になっている。
「大学の専門学校化」といわれる所以である。
が、実は同じようなことが最近では高校でも起こっている。とりわけ女子
において「手に職を付けておきたい」という願望が強いので、薬学理系・児
童保育・福祉生活といったコースが次々と誕生している。これらなどは「高
校の各種学校化」といってもいいだろう。
┏━┓
┃そ┃うかと思うと、早くも中学で「コース制」をとる学校が来年は一段と
┗━┛増える。難関大学進学コース・特進一貫コース・特進選抜Jコースと
いった具合である。難関大学に進学するにはこうしたコースを選択すること
が大変効率がいいように思える。
が一方で、中学1年の段階からクラスを別にして異なる学習内容を勉強さ
せることについては、いろいろ意見がある。わが子においても、必ずしも上
位クラスに入れる、居続けられる保証はないので、受験前にご家庭で話し合
って、ご夫婦の意思統一をしっかりやっておくことが必要だ。
このように、中学も高校も、ご自分たちが過ごさ ,−−、
れたときとは驚くほど違っている。昔の観念にとら / \
われず、新しい変化をちゃんと見て、お子さんの進 V・ ・V
路選択に臨むことが必要だ。 ω人=♀=ノω
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(2005年9月10日配信)
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∩ 《連載/第8回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
安田先生は近頃、9月発売の「サンデー毎日」臨時増刊号用に、市進学院、
日能研、四谷大塚の各情報部門の責任者と座談会をもたれたそうです。そこ
での全員の共通認識は、小学校卒業生の増加と受験率のUPで、「来年入試
は間違いなく厳しくなるであろう」とのこと。公立中高一貫校も増え、その
影響が大きいことも注意点。流動的なので、情報には敏感でいてください。
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■ 手のかけすぎは子どもをダメにする
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃最┃近、ある大学の学生課の職員からこんな話を聞いた。
┗━┛
「母親から学生課に電話がかかってきた。『息子が宿題を忘れていったので、
これからFAXするから渡して欲しい。』『お母さん、大学というところは学生
がキャンパスのどこにいるかつかんでいません。』『履修届が出ているのだ
から調べればどこの教室にいるかわかるはずだ。息子が徹夜してやった宿題
なのでなんとか届けてほしい。』」
いまや大学もここまできてしまった。それもこれも小学校、中学校時代に
同じような、いやそれ以上に親が子どもに手を掛けるような育て方をしてき
たからに他ならない。
┏━┓
┃こ┃の夏も、イベント会場の書籍販売コーナーで親子の姿を観察している
┗━┛と、ほとんどが親が教材を手に取り、子どもは脇で他人事のようにし
ている。塾がえの相談も、当の本人はかわるつもりがないのに親が成績が伸
びないからかえたいと焦っていってくる。
こんなシーンは挙げていけばきりがない。親が乗り出せば乗り出すほど子
どもは引いていく。親が一生懸命たくさんの説明会に参加して情報を集めれ
ば集めるほど、子どもは自分自身が通う学校なのに親任せになる。実感とし
て自分自身の受験と思えなくなっている。
心配なのはわかる。が少し子どもに任せてはどうだろう。子ども自身にや
らせてはどうだろう。「それは入学してから。まず
は合格を手に入れなければ」というかもしれない。
が、大事な受験の年だからこそ、自分で選択する、 ,−−、
自分で判断するということを経験させていただきた / \
い。そうしたことをいくつも積み重ねないことには、 V・ ・V
子どもはいつまでたっても大人になれないのだから。 ω人=♀=ノω
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(2005年8月10日配信)
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∩ 《連載/第7回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
安田先生は6月には19校に、7月も2日に1回は学校に足を運んでおられ
るそうです。そうした中で感じられるのは「学校は動いている」ということ
だそうです。親戚や近所の人が持っている昔のイメージで見ないことが大切。
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■ 早くに受験校を決めない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━━┓
┃「早┃くに受験校を決めない」というと、受験の常識に逆行しているよう
┗━━┛だが、言わんとしていることはこういうことだ。「ここに入れたら
いいな」というあこがれ校、第一志望校を持つことを否定するわけではない。
そうではなく、受けた模試で、可能性のあるところに受験先を早々に決めて
しまうことはやめようという意味である。
小6生は、7月から本番までの間には現時点からは考えられないくらい学
力がつく。学力が大幅に上昇するのに、上昇する前の力に合ったところに決
めてしまうのはもったいないではないか。早くに決めて、「過去問」をやら
せたくなる。あこがれ校、第一志望校なら問題ない(といっても、そうした
学校の問題は難しいので、余り早くに手をつけると自信を失う危険性がある
が)。逆に現時点で受かりそうなところに決めてしまうと、子どもも今の勉
強レベル(時間・質)でいいと思ってしまう。だから第一志望校、第二志望
校を除いて、おさえ校などはまだ決めない方がいい。
「学力を伸ばしてから決める」―そういうスタンスをお勧めしたい。
┏━┓
┃ま┃た、模試の結果(偏差値・合格可能性)で一喜一憂しないことだ。結
┗━┛果が返ってくるたびに受験校をああでもないこうでもないといじる親
御さんがよくいるが、親がガタガタするのはいちば
んよくない。 ,−−、
/ \
11月模試の結果が出てから決めても十分間に合う V・ ・V
のだから、是非どっしり構えて欲しい。 ω人=♀=ノω
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(2005年7月10日配信)
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∩ 《連載/第6回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
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6月の安田先生は連載原稿が10本と臨時2本のうえに講演の依頼が4本あ
り、準備も含めて超多忙です。さて今回は、お子さん自身の受験へ情熱をど
う高めるか。受験校を決定するこの時期に果たすべき親の役割について。
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■ 本人の意志が大切なわけ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃直┃前の2、3か月でものすごく伸びるきっかけのひとつに受験校がある。
┗━┛自分が本当にその学校に行きたくなれば勉強に対する目の色が変わっ
てくるのだ。
この「その学校に行きたい」という気持ちをどう作るか、ここに親の腕の
見せ所がある。「偏差値表を見せてこっちの方が高いわよ」「大学合格実績
を比較してこっちの方が難関大学に進めそうよ」―そうしたやり方をしてい
るご家庭もあるだろう。だがこうしたやり方は、子どもによっては共感しな
い、むしろ反発する可能性がある。
それよりもその学校のキャラクター、教育上の工夫、生徒への温かなアプ
ローチ、生き生きしている在校生の姿・・・そうしたものの方が子どもは学
校にいい印象を持つものだ。それには親自身がそうしたものに気づく目を持
たなければならない。「偏差値」や「大学合格実績」といった数字は誰にも
できる判断材料だ。せっかく受験にコミットしているのだから、少しは「プ
ロ」として腕を振るってみてはどうだろう。自分自身の目で各学校の良さを
発見するのだ。
┏━┓
┃そ┃れを基に、複数の中からお子さんに選択させるようにもっていくよう
┗━┛にしよう。つまり候補となる学校は親が選ぶが、最終的な受験校はお
子さんが自分で決めたという形をとるのだ。
どんなところに進んでも、入学後必ず不本意なことに出会う。その時それ
を乗り越えられるのは、自分が選んだ学校だからだ。
自分で選んだのであれば、自分の責任。他に転嫁す ,−−、
ることはできないから、なんとなくがんばれるもの / \
だ。親に強制された学校ではそうはいかない。退学 V・ ・V
が多い背景はこんなところにもある。 ω人=♀=ノω
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(2005年6月10日配信)
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∩ 《連載/第5回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
このゴールデンウイークは、久々に休養をとって読書などによる充電に
あてられたという安田先生。今月は、お子さんの受験にモーレツ熱心な今
どきのお母さんたちが陥りやすい、「子育ての落とし穴」について警鐘。
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■ あなたの子どもを信じなさい
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━━┓
┃「ど┃この中学に入れるかでわが子の人生は決まる」かのような迫力で、
┗━━┛受験に臨んでいるお母さんがいる。一生懸命なのはいい。が、望ん
でいる学校に入れなかったとき、そのお母さんは、根本から考えを変えるこ
とができるのだろうか。入学先が第三、第四志望の学校だったら、いつまで
も不満を持ち、高校進学段階でよそに出すことばかり考える。実はそうした
ケースがかなりあるのだ。
そうしたお母さんは、第一志望に入ったとしても、次は大学も有名なとこ
ろ、会社も一流のところ……と、際限なく続く。優秀な子(人)が周りにい
ることはいい刺激を受けられて、成長するうえで大きな糧になる。が、与え
られた場を有効に生かせるかどうかはあくまで本人次第。
┏━┓
┃何┃より、「属した組織で人生が決まる」というような親の考え(姿勢)
┗━┛が、子どもに悪影響を与えるのではないかと心配だ。
どこに行こうと、「自分の人生は自分で何とかする」というガッツを育て
ることの方が、長い目で見たとき、よほどお子さんの役に立つ。そしてお子
さん自身の中にそうした力があることを信じたい。
そうしたものがなければ、例え恵まれた環境に身を置けても、何十年とい
う長い年月はやっていけるはずがないのだから。
わが子が、思うような進路に進めなかったとき、 ,−−、
属した環境で挫折したとき、一気に引きこもってし / \
まうようなことのないように、自分の力で苦闘でき V・ ・V
る能力を育ててておきたいものだ。 ω人=♀=ノω
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(2005年5月10日配信)
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∩ 《連載/第4回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
促成栽培の野菜は不味くて栄養価が低いといわれます。お子さんの育て方
にも、同じようなことが言えるように思います。今月はそんなお話です。
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■ 紙の辞書と電子辞書
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃皆┃さんは『紙の辞書と電子辞書の違い』について考えたことがあるだろ
┗━┛うか。
電子辞書は目的地に最短距離で到達できるという利点がある。ダイレクト
に目的の言葉(ディテール)に行き着くことが出来る。一方紙の辞書は、遠
回りなようだが(無駄なようだが)、言葉を引く過程で見開きに広がる似た
ような言葉を無意識のうちに視野に入れている。
保護者の学校選択を眺めていると、「電子辞書的」な学校を選んでいるよ
うな気がする。
大学合格実績を上げるために、文系・理系のコース分けをする、特進コー
ス的なものを設ける、クラブ活動の日数を制限する、学校行事を極力1学期に
持ってくる、学級担任ではなく進路指導部が進路指導の主導権を持つ、教師
の個人的能力よりシラバスを優先する……どれもが大学合格実績という目的
地へ早く行くための手立てである。
このところ保護者はこうしたシステムが充実している学校を選ぶケースが
多いように感じるのだ。
┏━┓
┃が┃、文系の子と理系の子が同じクラスにいるから生まれる異質な刺激の
┗━┛しあい、ハードなクラブ活動・行事の裏方を通じて生まれる堅固な友
達関係、システムからは生まれない担任との信頼関係……そうした部分こそ
が本来学校が持っていた学校のよさではないだろうか。
,−−、
そしてこの部分で得たことの方が、お子さんが長い / \
人生を送る上で支えになるような気がする。是非、 V・ ・V
「紙の辞書」的な部分を残した学校を選んでいただき ω人=♀=ノω
たい。
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(2005年4月10日配信)
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∩ 《連載/第3回》
||nnn ┏━┳━┳━┳━┳━┓┏━┳━┳━┳━┓┏━┓┏━┓┏━┓
l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
受験率15%を大幅に突破した今年の中学受験。一方で、都立中高一貫校へ
の応募者が2000名を数えました。安田先生は、2005年の入試は今後の中学受
験を占う意味で“節目の年”となったのではないかと喝破されています。新
シリーズ第3回めは、最近の保護者の気になる動向について・・・。
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■ 打たれづよくなろう
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃今┃年もさまざまな受験模様を描きながら入試が終わった。私が直面した
┗━┛数多くのシーンの中から、これはちょっとと思ったことを述べてみよ
う。
A 秋口から何度か相談を受けていた親であったが、1月入試で幸い押さえ
の学校に合格を取れた。それで子どもが自信を持ち、2月2日に当初予定し
ていた学校を変更して「もっとレベルの高いところを受ける」と言い出した。
「どうしたものか」と電話がかかってきた。「お子さんがその気ならいいの
ではないですか」―そう返事したところ、「落ちるというかわいそうな経験
をさせたくない」。
B やはり1月入試。こちらは受かると思っていたところに落ちた。そうし
たところ2月2日以降の受験スケジュールの全面的見直しが始まってしまっ
た。入試であるから、100%確実なんてことはない。それなのに最初の1校
に落ちたくらいで全く動揺してしまう。慌てふためいてワーワー始まる。当
然、親の動揺は子どもにも感染する。
┏━┓
┃な┃ぜこんなに落ちることを怖がるのだろう。落ちることがショックなの
┗━┛だろう。わが子を辛い目に遭わせるのをどうしてそんなに嫌がるのだ
ろう。
親自身が辛い経験をしていないことが、こんなにも臆病なメンタリティー
を生んでいるように思えてならない。
,−−、
常に温かな空気の下で育てていたらひ弱な子どもに / \
なってしまう。冷たい風にあたってこそ皮膚は強靭に V・ ・V
なるのだ。 ω人=♀=ノω
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(2005年3月10日配信)
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∩ 《連載/第2回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
中学受験を仕事としている専門家は塾の先生や受験雑誌の編集者はじめ大
勢います。安田教育研究所の安田先生は中学受験に限らず、教育全般にフィ
ールドを広くとって活躍されています。そうした別の世界からの視点も加え
て、ご家庭が中学受験にどう取り組んだらいいのか、その考えるヒントを与
えていただこうと始まった新シリーズ! 今回は第2回めです。
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■ 来年、あなたは泣けるでしょうか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃1┃月下旬から2月上旬にかけて、時間があるとここ(首都圏中学受験ネ
┗━┛ット)の掲示板をのぞきました。お母さん方の切実な悩み、親子の強
い絆、気持ちの揺れ動き、温かなアドバイス……そうしたもろもろに触れ、
私自身ある種の感動を覚えました。
わが子の受験で苦しんでいるさなかにも、よそのお母さんのために真摯に
アドバイスする文面に出くわしたときには、いまどきのお母さんも捨てたも
のではないなと思ったりもしたものです。
最近はインターネットで合格発表が確認できるので、かつて校内の掲示板
の前で繰り広げられた悲喜こもごもの情景は姿を消してしまいました。
┏━┓
┃昔┃、私が息子の合格発表を見に行ったときには、校庭の、講堂の片隅で
┗━┛号泣している父親の姿を何人も見たものです。当時私はさめた目で受
験を眺めていたので、子どもの受験に父親がこんなに一生懸命になるなんて
みっともないとすら感じていました。
が、それは私自身がかかわりの度合いが薄かったから、泣くなんて心境に
到底届かなかったに過ぎません。泣けるのは、全力で取り組んだから泣ける
のです。
今回掲示板で一生懸命なお母さん方の姿に接し、か ,−−、
つて経験した昔を思い出しました。合格発表の、掲示 / \
板ならぬパソコンの前で、来年涙を流せるよう、全力 V・ ・V
投球の受験生活を是非送ってください。 ω人=♀=ノω
--------------------------------------------------------------------
(2005年2月10日配信)
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・‥…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥・
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∩ 《新連載/第1回》
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l⊃ノ ┃安┃田┃先┃生┃の┃┃中┃学┃受┃験┃┃虎┃┃の┃┃穴┃
/ / ┗━┻━┻━┻━┻━┛┗━┻━┻━┻━┛┗━┛┗━┛┗━┛
中学受験を仕事としている専門家は塾の先生や受験雑誌の編集者はじめ大
勢います。安田教育研究所の安田先生は中学受験に限らず、教育全般にフィ
ールドを広くとって活躍されています。そうした別の世界からの視点も加え
て、ご家庭が中学受験にどう取り組んだらいいのか、その考えるヒントを与
えていただこうと始まった新シリーズ! まずは入試直前の心構えから。
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■ 出願状況で受験校を変更しない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┏━┓
┃こ┃のところ出願シーンが昔と違ってきています。昔なら出願初日に受験
┗━┛者の8〜9割が願書を出していたものが、どこも初日の出願数が減っ
てきているのです。どうしてこうなったかといえば、インターネットで出願
状況をチェックし、それによって出願先をどうするか検討するご家庭が増え
たからです。確かにお子さんが受験する学校にどのくらいの出願者がいるか、
倍率がどうなるかは非常に気になるところです。
ですが、ここまできたらこうしたものを見て検討するよりも、開き直った
方が賢明です。
倍率が低くても下の方の受験生が敬遠したのならば難度の易化はほとんど
期待できませんし、倍率が高くても下の方の受験生が増えたのならば難化は
しません。ですから、いまさら倍率を気にしても仕方ないのです。
むしろ倍率が低いからといって、ろくに準備をしていない学校を受ける方
が危険です。
当初の予定通り準備してきた学校を受ける――これが鉄則です。
┏━┓
┃ま┃た、こうした経験をされることは少ないかもしれませんが、万が一の
┗━┛ために今のうちにお話しておきます。最近ではほとんどの学校がイン
ターネット上でも合格発表をしていますが、前年受験したお母さんからこん
な話を聞きました。
「毎日、毎日パソコンの前で娘の受験番号がないことを確認していると、世
の中で自分の子どもだけが落ちているような気分になってものすごく落ち込
んでしまった」
学校の掲示板で合否を確認していた時代には、周りに必ず不合格者の姿が
ありました。ですから落ちても自分だけではないとある部分救われたのです。
が、パソコンにひとりで向かっていると心理的にはキツいものです。です
から今のうちにこうした心境になりがちだということ
を知っておいてください。 ,−−、
/ \
ここでは2つのケースを挙げましたが、インターネ V・ ・V
ットの便利さと同時に動揺しない姿勢も大切です。 ω人=♀=ノω
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(2005年1月10日配信)
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