神奈川大学附属中・高等学校 | 神奈川県 | 共学校 |
今日の塾説は、はじめに学校生活紹介のVTR を見たあと、学校長から教育理念についての挨拶がありました。
- 本校は今年11月に、開校以来25 年の節目を迎える。男子校としてスタートし、開校4年目で共学校に変わり、20年目に併設型の中高一貫校になった。
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神奈川大学は昨年80周年を迎えた。そして次の100周年に向けて再出発したところである。この機に、あらためて建学の精神を確認したい。建学の精神は、「質実剛健・積極進取・中正堅実」である。この教育理念を中学から具現化させるとして、中高を設置した。
教育というのは、人間の精神的骨格を育てる作業である。その目的は、人間形成のためにある。人は豊かな人間性をもって、自らの文化を築いていかなくてはならないと考えている。そこにこそ、建学の精神が大事となる。「積極進取」は、VTR を見てもらったように、率先して行動する能力を意味し、何事も進んで行うことである。「中正堅実」とは、人として行動していくための自律的な行動の指針として掲げている。 - さて、もう1つ本校の特徴がある。実は2002年の終わりに、全教員がこの場に集まり、付属校のありかたについて話し合いをもった。そこで、「MARCH レベル以上の大学へ60%以上の生徒が進学する学校を目ざそう!」と決めた。さっそく2003年から取り組みをスタート、2004年に「併設型の中高一貫校」に改めた。中高一貫校制度の特典をフルに生かすことにしたのである。
- 本校は今、国公立の大学へ進学するための積極的な取り組みをしている。それぞれの教科において、話し合いをもちながら行っている。教師の主体的取り組みは本校の誇りである。取り組みの一端を紹介する。学習指導要領がゆとり教育に改定されてからの生徒が、本校に入学してきたのは18期から。私たちは、英数の学力向上と、家庭学習の定着をはかろうとしてきた。そして、定着具合を毎週末に確認することに。金曜日の1時限目に、英語と数学でその週に学んだ基礎的な内容が理解できているかどうかの確認を目的に、「週末テスト(WET)」を実施している。一定水準に達していない生徒には、翌日の土曜日午後に補習を行っている。わからないことを次の週に持ち込ませない、ことがねらいである。
- 昨年からは、新しい取り組みも行っている。英・数の授業では、力の差が離れてしまうと学ぶのがイヤになってしまう。数学がイヤになると、いわゆる一般に言われる“文系人間”になってしまう。こんな呼び名は他の先進国にはなく、わが国だけのことだ。そこで本校では、「生徒の学力を保証していこう」と決めた。数学の学力が下のクラスは、10名ぐらいの少人数で授業を行うことにした。
- 今年の新しい取り組みは「自己表現の強化」である。重点目標に掲げた。背景は、高校生の全国的調査で、考えたことを文章にまとめる力が不足しているという結果が出たからだ。解決のために、自己表現の強化をやっていく。
その後、副校長から入試の傾向と来年度の改善点について説明があり、終了しました。終了後、校内施設見学があり、教員の案内で見て歩くことに。神大附属らしい特色があり、教員から説明があったことをメモします。
- 1号館は1F を中1と中2、2Fを中3と高1、3Fを高2と高3で使っている。中央に中庭があり、ロの字型にぐるっと取り囲んで教室がある。教員室はそれぞれ各フロアごとに生徒に近い場所にあるので、いつでも生徒は入りやすい。各教室をのぞいて歩いていたら、人数が非常に少ないクラスがあった。それは「学力保証」による下の数学クラスであった。
- 自習室があった。隣の席とは区切られていて集中しやすそうな部屋では、多くの席が埋まっていた。空き時間を利用して高3生が静かに学習していた。
- 体育館では、体育の授業中で、2コートを使ってバレーボールが行われていた。よく見ると、男子女子一緒にボールを追いかけている。男女がお互いを理解し尊重しあう気持ちを育てる「男女共修」が神大附属の特色だそう。技術家庭科では男子も料理をつくり、編み物もするそう。男子のなかには編み物が女子よりうまい生徒もいるそうだ。
- 各フロアに、学校からの連絡コーナーがあった。ボードが3つ、テーブルが3つ並んでおり、ボードには、来週からの前期中間考査の出題範囲が、各教科別に張り出されていた。生徒への連絡は、印刷物で配付することはせず、全てこのボードの張り出しで行っている。生徒は張り出しを見て、メモを取るのだそう。
私の感想
あとで聞いたのですが、「週末テスト」にパスするかしないかは生徒にとって大問題なようです。パスしないと、土曜日の午後は補習となり、好きなクラブ活動もできないからです。この補習、家族旅行よりも優先するのだそう。形だけでなく、生徒が本気になって取り組んでいるから効果は大きいのでしょう。また、学校からの連絡ボード、自律心が養われそうです。キャンパスは緑豊かな広大な丘陵地にあり、校門を入ると銀杏並木が現れ、気持ちのいいアプローチが続いていました。学校をよく知るには、訪ねてみる・感じてみる、ことですね。
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